2015年8月 自動車販売台数ランキング

2015.09.05

■新車販売は8カ月連続での前年割れ。増税後の軽自動車の不振が響く

日本の景気が踊り場といわれる昨今、その影響もあってか、市場における国産車の消費マインドは低調傾向が続いている。自動車業界団体がまとめた2015年8月の全体での国内新車販売は、前年同月比1.9%減の32万7040台と8カ月連続でのマイナスを記録。カテゴリー別では、登録車が同2.3%増の21万1303台と2カ月ぶりにプラスに転じたものの、軽自動車は同8.8%減の11万5737台と8カ月連続での前年割れとなった。市場の状況について業界団体の関係者は「登録車がプラスとなり、全体でのマイナス幅は縮小しているものの、駆け込み需要前のレベルにはまだ戻っていない。とくに軽自動車は増税の影響が長引いている」と指摘。今後については、「富裕層向けのモデルは堅調だが、一般消費者向けのクルマは依然として回復基調には至っていない。こうした二極化は、これからも続きそう」と分析した。

車名別ランキングでは、トヨタアクアが前年同月比14.8%減ながら1万2390台のセールスを記録して5カ月連続での首位につく。続く第2位には前月から1ランク順位を上げたホンダN-BOXが位置。第3位には同じく1ランクアップを果たしたダイハツタントが入った。トップ10を一覧すると、登録車は4車種で残り6車種が軽自動車。この比率になるのは4カ月ぶりである。また、トップ10の内で販売台数が前年実績を上回ったのは5車種にとどまった。

注目の新型車の成績も見ておこう。7月にフルモデルチェンジを実施し、1カ月の受注台数が月販目標の7倍となる約4万9000台を記録したトヨタ・シエンタは同720.4%の大幅増を達成して第5位にランクイン。4月にマイナーチェンジを実施したトヨタ・カローラは同16.0%増を記録して第6位に、新しいラパンを追加したスズキアルトは同13.9%増で第8位に、新型に移行したマツダデミオは同184.8%増で第16位に、同じく新型に切り替わったホンダ・ステップワゴンは同75.7%増で第23位に位置する。また、ハイブリッド仕様の販売が好調な日産エクストレイルは同62.2%、8月下旬に新型に移行したスズキ・ソリオは同26.9%、7月にハイブリッド仕様を追加したスバルインプレッサは同28.8%の大幅増を成し遂げた。

2015年8月 車名別乗用車販売台数ランキング (日本自動車販売協会連合会発表)

メーカー モデル 台数
1 トヨタ アクア 12,390
2 トヨタ シエンタ 7,736
3 トヨタ カローラ 7,715
4 ホンダ フィット 6,765
5 トヨタ プリウス 6,618
6 トヨタ ヴォクシー 5,853
7 日産 ノート 5,811
8 マツダ デミオ 5,325
9 ホンダ ヴェゼル 5,092
10 トヨタ ヴィッツ 4,885
11 ホンダ シャトル 4,775
12 トヨタ ハリアー 4,179
13 ホンダ ステップワゴン 4,145
14 日産 エクストレイル 4,142
15 日産 セレナ 3,975
16 トヨタ ノア 3,657
17 トヨタ ヴェルファイア 3,531
18 トヨタ アルファード 3,407
19 トヨタ エスクァイア 2,975
20 スズキ ソリオ 2,753
21 スバル インプレッサ 2,699
22 トヨタ パッソ 2,661
23 トヨタ クラウン 2,414
24 ホンダ フリード 2,376
25 マツダ CX-3 2,323
26 スバル レヴォーグ 2,097
27 トヨタ ランドクルーザーW 1,988
28 マツダ CX-5 1,865
29 トヨタ スペイド 1,838
30 スズキ スイフト 1,796

■輸入車の新車販売は上向き。クリーンディーゼル車の人気が上昇中

国産車の市場が低調な一方、輸入車の新車販売は回復基調が鮮明だ。外国メーカー車の新規登録台数は前年同月比7.8%増の1万9692台と、5カ月連続での前年実績超え。登録車に占める輸入車のシェアは、8月単月としては過去最高の9.3%を達成する。日本メーカー車含でも同3.8%増の2万2339台を記録した。市場の動きについてJAIA関係者は、「消費税増税の反動減からは、ほぼ回復したといえる。また、各ブランドが税制面で有利なクリーンディーゼル車の設定を拡充させていることも、輸入車の受注増につながっている。新規に投入されたモデルの引き合いも多い」と解説した。

外国メーカーのブランド別成績では、新型Cクラスなどの販売が好調なメルセデス・ベンツが同0.3%増の4581台の新規登録台数を記録して6カ月連続でのトップに輝く。続く第2位には、新型パサートの投入の効果などで同16.4%増の4339台を記録したフォルクスワーゲンが位置。第3位には同8.4%増を成し遂げたBMWが、第4位には同8.0%増のアウディが入った。ドイツ四天王以外では、BMWミニが同10.6%増、プジョーが同10.4%増、フォードが同16.9%増の好セールスを記録。また、ポルシェが同126.1%増、ジャガーが同147.6%増、フェラーリが同103.0%増、ランボルギーニが同371.4%増、ベントレーが同200%増と、プレミアムブランドの好調ぶりが目立った。

2015年8月 車名別輸入車新規登録台数 (日本自動車輸入組合発表)

メーカー 7月 2015年累計
1 Mercedes-Benz 4,581 41,631
2 VW 4,339 38,204
3 BMW 2,919 28,723
4 Audi 2,116 19,989
5 BMW MINI 1,294 13,098
6 Volvo 883 8,205
7 Jeep 486 4,553
8 Porsche 529 4,191
9 Peugeot 351 3,716
10 Fiat 369 3,559
11 Renault 316 3,552
12 Ford 305 3,106
13 Land Rover 186 1,957
14 Alfa Romeo 136 1,667
15 Citroen 91 1,266
16 ABARTH 83 956
17 Maserati 92 870
18 Jaguar 156 721
19 DS 52 590
20 Ferrari 67 561
21 Cadillac 52 474
22 Chevrolet 41 447
23 Chrysler 8 363
24 Lamborghini 33 263
25 Bentley 15 229
26 Lotus 14 208
27 BMW Alpina 11 193
28 Dodge 17 172
29 smart 5 129
30 Aston Martin 15 110
31 Rolls Royce 13 108
32 Mclaren 6 52
33 Rover 3 26
34 GMC 3 23
35 Lancia 3 17
36 Pontiac 0 12
37 Morgan 1 11
38 Hyundai 2 9
39 Hummer 1 8
40 MG 1 6
41 Autobianchi 0 5
42 Buick 0 5
43 Saab 0 4
44 Bugatti 1 2
45 Detomaso 1 2
46 Opel 0 2
47 PROTON 0 2
48 Kia 0 1
49 RUF 1 1
Others 27 253
文・大貫直次郎

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