スズキ・ソリオ・ハイブリッドMZ
公開 : 2015.09.08 23:50 更新 : 2017.05.29 18:41
ソリオは(東南アジアの一部に少量輸出されるものの)基本的に日本専用車で、乗り心地はいかにも日本的に快適。それなりにロールしつつも、上屋の挙動量やロールスピードもほどよく抑制するサジ加減の上手さは、さすがスズキ。ただ、戻し方向のアシスト制御を新追加したというパワステだけは、微小域でのピクピクという人工的な手応えが、パワステ名人のスズキらしからぬ……でもある。今回は市街地のみの試乗だったので、この新パワステも高速直進性などでそれなりの利点が感じられる可能性はある。ただ、少なくとも市街地では、熟成の余地ありだ。
■「買い」か?
全幅1625mmのソリオは今どき貴重なナロー・ボディである。混雑した市街地では、コンパクトな全長に加えてナローなことも重宝する。それでいて室内空間はバカッ広い。「それなら軽スーパーハイトのほうがもっと便利では?」と思う向きも多かろう。しかし、5人乗りという融通性に加えて、ソリオならではの前後ウォークスルーは、前席へもリモコンひとつでドアに触らずスライドドアから乗降できるなど、一度慣れてしまうと手放せなくなる便利さは、ソリオの特権である。
さらにステレオカメラ式のオートブレーキ性能は国産でも屈指の高度な性能をもつ。現時点で車間調整式のアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)機能がつかないのは残念(左右カメラの距離が小さく測定距離が短いのが、ACCに応用するときの技術的課題という)だが、車線認識精度もさすがに高く、歩行者認識、100km/h以下をカバーする作動速度範囲など、これで5.94万円というオプション価格は素直に安いと思える。