パワー・ウエイト・レシオはまさかの245ps/トンとなり、最新のアウディRS3よりも15ps/トン上回る。4.2秒の0-100km/hタイムもまたRS3よりも0.1秒優れている。ちなみにフェイスリフトしたばかりのポルシェ911カレラも4.2秒といわれている。

速さを手にしたからといって、経済性を怠らないのはさすが。燃料消費率は14.9km/ℓを標榜しており、CO2エミッションだって161g/kmをマークするのだ。

先述のようにエアロダイナミクスのわずかなアップグレードにより、直進安定性も増している。最高速度は249km/hに及び、この速度域でさえテール・エンドが落ち着きを失うことはない。

人気のいない峠道に連れだしてさらに驚くのは、あまりにも軽やかな身のこなしである。天気などなんのその。道があるかぎり絶好調です! と言わんばかりの軽い身のこなしは、同じ価格帯のどのクルマでも再現しがたい。スーパーカーでさえA45に敵わないモデルもあるだろう。

とくに激しいのはまったく限界のみえないグリップ・レベルだ。筆者もここには書けないくらいの速度でコーナーを攻めこんだつもりではあるが、225/40 18インチのタイヤは冷や汗ひとつかかせない。

コンフォート・モードでさえ確かに足は硬いのだが、金庫さながらに堅牢なボディと相まって、思った通りのコーナリングを行える。少なからずロールはするが、足を引っ張るほどではない。