■どんな感じ?

今回の試乗車には71.0万円の“S-lineパッケージ”が備わっていた。同パッケージにはパドルシフトを含む内外装コスメのほか、標準より1インチ大きい19インチ・ホイールとスポーツ・サスペンションが含まれる。2.0TFSIクワトロにはアダプティブ可変ダンパーの用意はなく、このスポーツサス素直にバネとダンパーを引き締めたタイプだ。

新しいA6のもうひとつのキモであるフェイスリフトについては、写真だけだと変わったかどうかも気づかない向きもあろう。しかし、実物のイメチェン度合いは小さくない。上下に薄くなったヘッドライトと丹念にリデザインされたグリルで、これまでより明らかに不敵系のツラ構えとなった。また、これには新機軸の“マトリクスLEDヘッドライト”が果たす役割も大きい。マトリクスLEDヘッドライトは29.0万円という安くないオプションであるものの、アダプティブに配光を可変する機能に加えて、デザイン的にもぜひフンパツしたくなる類の装備といえる。

ダウンサイジング・エンジン全盛のいま、「2.0ℓターボなんて不安」という人はほとんどいないだろう。たしかに2.0TFSIクワトロに動力性能の不足は微塵もない。わずかな過給ラグは否めないものの、次の瞬間に本格的にトルクが供出されれば、額面どおりに従来の2.8ℓ自然吸気より、確実に速い。