アウディA6 2.0TFSIクワトロ

公開 : 2015.09.14 23:43  更新 : 2017.05.29 18:14

それにしても、感心するのはパワートレインの静粛性の高さとスムーズさである。4気筒とツインクラッチ……という高級車サルーンには二重苦(?)というべき構成にもかかわらず、リミット付近まで引っ張っても、静かすぎて「何気筒か?」などという重箱のスミまで意識がいかない。また、変速マナーもツインクラッチのギクシャク感は皆無といってよく、今回も事前知識なしで走りはじめて、恥ずかしながら「変速機もハイブリッドに続いてトルコン8ATになったのか?」と勝手に思い込んでいたほどである。弟分に積まれる同エンジンや従来のSトロニックのデキを考えると、これはパワートレイン自体の改良というより、A6の高度な静粛対策によるところが大きいと想像される。

A6のシャシー性能はそもそも高度だったので、今回も「見ちがえるほど」とはいわないが、19インチを固定減衰でここまでうまく履きこなすことを考えると、細かい熟成が入った可能性が高い。身のこなしは見事にフラットで、路面を問わずに快適しごく。操縦性にも神経質さは皆無。このビジュアルでこれほど上品な走りなら、S-lineパッケージをフンパツしても後悔はないと思う。

■「買い」か?

従来のA6の経験でいえば、FFでも高速スタビリティなどで、後輪駆動の競合車に対するアドバンテージは確実にあった。ただ、クワトロでないアウディは、昔風にいうと、やはり「クリープの入っていない……」で、今どきのダウンサイジング・エンジンの恩恵とクワトロを両立した2.0TFSIクワトロは、A6の決定版となろう。

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