フォードBマックス 1.6 TDCi タイタニウム
公開 : 2012.09.08 15:53 更新 : 2017.05.29 18:55
■どんなクルマ?
フォード・フィエスタ・ベースのMPV、Bマックスのラインナップの中にあって、1.6TDCiは最も経済的に優れ得ているバージョンである。
このBマックスの特徴は、Bピラーのないことによるリア・シートへのアクセスの良さが上げられる。また、高いベンチマークを持つフィエスタ・ベースということもあって、そして、より大きいフォードのMPV、CマックスやSマックスも素晴らしいドライビング・キャラクターを持ったクルマとして知られていることもあって、その性能は高い基準を満たしていると期待できる。
最も経済的なBマックスである1.6TDCiタイタニウムは19,000ポンド(238万円)と、Bマックスの中でも最も高価なモデルというのは若干皮肉を感じる。尤も、フォード・シンク・コネクティビティ・システムを始めとする豊富な装備は、決して割高感を感じさせはしない。オプションとしては、アクティブ・シティ・ストップ、キーレス・エントリー、バック・モニター、そしてソニーの8スピーカーDABオーディオ・システムなどもラインナップされる。
もし、安いディーゼルを望むのなら16,995ポンド(213万円)の74bhpの1.5DTCiも選択肢としてあるが、パワーもなく、遅く、そして何よりも経済的でないモデルだ。
■どんな感じ?
小さなSマックスのようであり、第一印象はグッド・ルッキングだ。フィエスタよりもだいぶ高価ではあるが、センター・ピラーをなくしたことによって乗り降りが楽なリア・シートなど、使い勝手は良い。とりわけ若い子供がいる家庭には好評を博すだろう。その開口部は通常のドアの2倍近い150cmだ。
その乗り心地とハンドリングという観点からすれば、このディーゼルのBマックスは素晴らしいの一言に尽きる。ステアリングは正確で取り扱いが容易だし、グリップも高い。また、サスペンションのセッティングは、パーフェクトなボディ・コントロールで、弾力のある乗り心地を提供してくれる。
若干ハードに走ると、ボディ・ロールが大きいような気もするが、実際にこのMPVがそのように使われることはないだろう。また、例えそうなったとしても、その状況下でもレスポンシブでありきちんとした身のこなしを見せてくれる。
エンジン性能は、驚くほどではないく、0-100km/h加速も13.6秒と比較的ゆっくりしたものだ。そのミッドレンジでのターボ・ディーゼルによるプッシュはなかなかだが、クラス・ベストかといえばそうではない。多くの人々にとって、それは取るに足らない問題かもしれないが、良いフォード車がどんなものかを知っているドライバーにしたら、少しがっかりする部分かもしれない。
■「買い」か?
おそらく買いということができよう。スペースと経済性を考慮すれば、他にこのクラスでBマックスよりも優れたクルマがあるかどうかは疑わしい。また、Bマックスは、最初に述べた通りグッド・ルッキングなクルマでもある。
但し、他のライバル達にも試乗した上で、納得してこの1.6リッター・ディーゼルをオーダーすることをおすすめする。
(スティーブ・クロプリー)
フォードBマックス 1.6 TDCi タイタニウム
価格 | 18,895ポンド(237万円) |
最高速度 | 173km/h |
0-100km/h加速 | 13.9秒 |
燃費 | 25.0km/l |
CO2排出量 | 104g/km |
乾燥重量 | NA |
エンジン | 直列4気筒1560cc |
最高出力 | 94bhp |
最大トルク | 21.8kg-m |
ギアボックス | 5速マニュアル |