アウディe-トロン・クワトロ・コンセプトが公開
公開 : 2015.09.15 22:23 更新 : 2017.06.01 02:04
将来的なEV展開がどのようなものになるかを示すために、アウディはe-トロン・クワトロを公開した。
軽量コンストラクション、エアロダイナミクス、バッテリー技術、電気ドライブ・システムは、現行のガソリン・ユニットに対抗するためのものであり、本コンセプトはゼロ・エミッション走行と501kmに及ぶ航続可能距離が自慢だ。
「2018年初頭に電気で動くSUVを公開する予定です。その際の方向性を指し示すのが、このe-トロン・クワトロです」と語るのはR&Dを統括するウルリッヒ・ハッケンバーグだ。
3つのモーターは503psを発揮
E-トロン・クワトロは内製の電気ドライブ・システムを搭載する。モーターは3つ、1つはフロントに搭載され前輪を回し、リアの2つは後輪を回す。通常時の最高出力は435psだが、最大で503psまでパワー・アップでき、最大トルクは81.6kg-mに及ぶという。
ドライブ-マネージメント・システムを介してパワーは4輪すべてに行きわたる。電制のトルク・ベクトリング機能は路面の状況に合わせてトルク供給を切り替える。ギアボックスは ‘ドライブ’ と ‘スポーツ’ の2種となる。
車重に関しては明らかになっていないが、SQ5の0-100km/hタイムである4.6秒は割り込んでいるという。最高速度は211km/hに留められている。
95kWhの大型液冷バッテリーはパッセンジャー・シートの下に設えられる。重心高は可能なかぎり低くすることに成功し、前後重量配分は52:48となる。リチウムイオン・ユニットは他のモデルに使用するのだそうだ。
航続可能距離のテスト値は501kmを超え、アウディによると150kWのAC/DCチャージング・システムは30分で最大401km相当の充電が可能となる。
ワイヤレス充電システム
駐車場に停めておくと、ワイヤレス充電が始まる装置が採用されている。自動で充電が始まり、満充電になると自動で充電が終わる。スマートフォンからもコントロールが可能だ。
1980mmに長さのルーフには、ソーラー・パネルが設置される。バッテリーにエネルギーを送る仕組みだ。ヨーロッパの典型的な気候ならば1000km程度の航続も可能なのだという。
2代目のQ5に使用する予定のMLBプラットフォームをベースとしているが、フロアパンやストラクチャーはe-トロン用に改良されている。
サスペンションは前後ともに5リンクであり、可変ダンパーにはエア・スプリングが組み合わされる。セルフ・レベリング機能がつき、高速走行時にはエアロダイナミクス向上のために30mm車高が下がる。
最新のQ7にも組み合わさる4輪操舵システムも採用されており、回転半径を小さくし、市街地の敏捷性を向上するために5°後輪が向きを変える。
265/40 22インチのタイヤは低燃費思考のもので、ホイールは空気抵抗低減を目指している。もちろんオフロード上の走破性も考えられているとのことだ。
アクティブ・エアロダイナミクス
全長は4880mm、全幅は1930mm、全高は1540mm。初代のQ5と比べると250mm長く、幅は30mm大きく、車高は115mm低い。抗力係数は0.25となり、現行のどのアウディのSUVのよりも優れている。
80km/hを超えると、エアフローの高効率化と冷却効果を高めるためにフロントの可変エアロが展開される。さらにテールゲート上のスポイラーを100mm伸ばし、空気の流れをコントロールする。もちろん外観もスポーティーになっている。
インテリアは昨年のLAモーターショーで公開されたプロローグ・コンセプトを踏襲しており、座席数は前後それぞれ2つずつとなる。荷室容量は615ℓとなり、5代目Q5よりも75ℓ大きい。排気システムをまだもたないため、荷室の底面は低くなっている。後席を倒せば、Q7よりも350ℓ小さな1725ℓまで拡大する。