第2世代のBMW X1をワールド・プレミア

公開 : 2015.09.16 22:40  更新 : 2017.06.01 02:04

既にクルマ自体は6月上旬に発表されているので新鮮味は少し足りないが、このBMW X1もフランクフルト・モーターショーが初のワールド・プレミアの場である。

アウディQ3のライバルとなるこのX1は、2シリーズ・アクティブツアラーやグランツアラーと同様、BMWの新しいUKLプラットフォームを使用するモデル。従って、現行X1の後輪駆動から前輪駆動ベースに変わる。

新しいX1は、現行モデルよりもよりアグレッシブなスタイルが与えられている。大胆なフロント・エンド、LEDデイタイム・ライニング・ランプ付きのより角ばったヘッドランプ、丸いフォグランプ、より輪郭の強調されたフロント・エンド、突出したホイールアーチ、そしてより大きくなったグラウンド・クリアランスなどが特徴。

UKLプラットフォームを使用したことにより、現行モデルよりも短いボンネットと長いルーフ・ラインを採用することを可能とした。5ドア・ボディはそのままだが、リア・ドアの開口部は大きくなっている。

サイズは、全長、全幅、全高が4439×1821×1598mmで、現行モデルよりも36mmほど短いが、21mmほど幅広く、そして53mmほど車高も高い。ホイールベースは90mm伸ばされ、リアの居住スペースは37mmほどプラスされている。また、そのリア・シートのスライド量は66mmだ。ブートスペースも85ℓ増加した505ℓで、リア・シートを折りたたむと1550ℓにもなる。また、リア・シートは電動ボタンでワンタッチで折りたたみが可能なほか、オプションとしてパッセンジャー・シートのシートバック部分も折りたたむことができる。

前輪駆動となったこと、つまり横置きのエンジン・レイアウトをとったことにより、シートの座席数は5座のままだが、レイアウトも見直されている。特に、リア・シートは64mmほど現行モデルよりも高くなり、フロント・シートも36mmほど高い着座位置となっている。

重さは、エントリー・モデルのsDrive 18dでは1430kgとなり、現行モデルよりも135kgものダイエットに成功している。これは、高張力鋼板とアルミニウムがメインのボディ・ストラクチャーに採用され、独自開発の鋼板がフロント・バルクヘッドとBピラーに、そしてボンネットがアルミニウム製となったことが大きい。

サスペンション形式は、2シリーズ・グランツアラーと同様で、フロントがマクファーソン・ストラット、リアがマルチリンクだ。ステアリングは、電子制御の速度対応型サーボトロニックで、これは低速での軽い操舵力と、高速走行時の安定感との両立のため採用されたもの。

ホイールは17インチが標準だが、オプションとして18インチ、そして19インチが用意されている。

X1としては初めて、アジャスタブル・ダンパーと、オプションとなるがドライバー・エクスペリエンス・コントロール機能がセットされた。これはスポーツ、コンフォート、エコ・プロという3つのモードが選択できるもの。

搭載されるガソリン・エンジンは、B48型ユニットで、ベーシックなsDirve 20iおよびxDrive 20iには192ps、28.5kg-mの2ℓ4気筒ユニットが搭載される。これは現行モデルよりも8ps、0.8kg-mほどパワーアップしたもの。

最速のモデルはxDrive 25iで、パワーは231ps、トルクは35.7kg-m。これも現行モデルよりも14psほどアップされている。パフォーマンスは、0-100km/h加速が6.5秒。そして最高速度は235km/hに達する。

一方ディーゼル・エンジンは現行のN47に代わってB47型ユニットが搭載される。150ps、33.6kg-mのものがsDrive 18dに、190ps、40.8kg-mのものがxDrive 20dに、そして230ps、45.9kg-mのものがxDrive 25dに搭載される。エントリー・モデルとなるsDrive 18dのみに6速マニュアル・トランスミッションが組み合わせられ、それ以外はすべて8速オートマティックが標準となる。この8速オートマティックは、オプションのドライバー・エクスペリエンス・コントロールとセットで、50km/hから160km/hの間は惰性走行する機能を持つ。

そのネーミングからもわかる通り、sDrive 18dとsDrive 20iは前輪駆動、そしてxDrive 20i、xDrive 25i、xDrive 20d、そしてxDrive 25dは4輪駆動となる。

BMWは新しいX1に搭載される4WDシステムは軽量で且つトルクの損失が30%抑えられているとコメントしている。また燃費も良く、オフロードでのトラクションも向上しているという。標準で、4WDシステムには、ダイナミック・スタビリティ・コントール、ダイナミック・トラクション・コントロール、コーナリング・ブレーキ・コントロールが装備される。

燃費で言えば、最も効率が良いのはsDrive 18dだ。燃費は24.4km/ℓで、CO2排出量は114g/kmという値だ。

ローンチ時のエンジン・ラインナップは以上だが、後にB38型の3気筒ユニットの搭載も決定している。これは、現行のsDrive 18iの後継モデルに搭載されることになろう。すでに2シリーズ・アクティブツアラーに搭載されているもので、1.5ℓターボ・ユニットは、135ps、22.4kg-mのパワー、トルクを持つ。また、B37型1.5ℓ3気筒ディーゼルも、現行のsDrive 16dの後継モデルに搭載される計画で、こちらは115ps、27.7kg-mというスペックが予想される。

価格は明らかにされていないが、現行のX1に近いものになると思われる。

なお、この標準的なX1と並び、BMWはアウディQ3 RSやメルセデス・ベンツGLA45 AMGのライバルとなるハイパフォーマンス・モデルも計画しているようだ。詳細は不明だが、そのために高出力の2.0ℓターボ・ユニットを開発しているとされる。このエンジンは、300ps以上を発揮するものになるらしい。但し、このユニットが、X1に積まれるのか、新たにデビューするX2に積まれるのかも明らかではない。あくまでも予想値ではあるが、このユニットを搭載したモデルは、0-100km/h加速が5.0秒、トップスピードが250km/hと予測される。

また、X1プラグイン・ハイブリッドも、後にそのラインナップに加えられる。これは、2012年のパリ・モーターショーでデビューしたパワートレインを搭載するモデルで、1.5ℓ3気筒のガソリン・エンジンによってフロント・ホイールを、そして電機モーターでリア・ホイールを駆動する。その合計出力は190ps以上、そして46.0km/ℓの燃費と、モーターのみで30kmの航続距離を持つものだ。

▶ 2015 フランクフルト・モーターショー

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