4代目プリウスがフランクフルト・モーターショーに登場
公開 : 2015.09.16 22:15 更新 : 2021.01.28 18:21
最新型のプリウスがフランクフルト・モーターショーでアンヴェールされた。トヨタが自社の燃料電池車、ミライのスタイリングを、ハイブリッド・モデルのプリウスにも適用したことが見て取れよう。
第4世代となるプリウスは巨人トヨタにとって大きなステップを意味するものだ。なぜならこれから、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)プラットフォームを採用する第1弾モデルとなるからである。このモジュラー・プラットフォームにより、新型モデル開発の期間短縮と、コスト削減、ラインナップ間の利益率改善が見込まれる。
また、このプラットフォームは、フロントがマクファーソン・ストラットと現行と同じだが、リアはトーション・ビームからダブル・ウィッシュボーンに変更されたのも特徴。トヨタによれば、このプラットフォームの採用によって低重心化が可能で、ハンドリングのレスポンスと機敏さが改善されているという。
フロントはドラマティックなヘッドランプと、複雑なデザインを持つバンパーで構成され、サイドビューはブラックアウトされたCピラーによってフローティング・ルーフを演出している。リアは、ミライからのデザイン・キューが採用され、高いテールランプとスポイラーが統合されたハッチバック・ガラスを特徴とする。
ボディ・サイズは、全長、全幅、全高が4540mm×1760mm×1470mmで、これは先代に対してそれぞれ+60mm、;15mm、-20mmというサイズだ。ホイールベースは2700mmと変化ない。
まだ、パワートレインの詳細は明らかにされていないが、1.8ℓのガソリンとモーターの組み合わせであることは確かで、コンパクト・ニッケル水素バッテリーを燃料とする。燃費は先代よりも10%ほど向上しているようだ。従って、29.0km/ℓ以上。ノン・プラグイン・バージョンでは80g/kmのCO2排出量を得るだろう。
また、このTNGAプラットフォームは、最高でトヨタの50%のモデルに使用される予定で、ボディ剛性は従来のモデルよりも30〜65%ほど高くなるという。
新型プリウスは来年初頭に販売を始め、車両価格は£22,000(395万円)前後で、現行モデル同等を維持するものと思われる。
新型プリウスの注目点
オーリス・ハイブリッドが同社のラインナップのなかで高い支持を受ける可能性があるものの、今後もプリウスがハイブリッド・パワートレインのメイン・モデルであることに変わりはなかろう。
大衆向けのモデルであることが成功の鍵を握る以上、プリウスはハイブリッドの道に専念すべきなのだ。
しかし、新型になったからといってパワートレインに革新的進化があるわけではない。
NEDC(新欧州ドライビングサイクル)燃費基準で、CO2排出量80g/km未満という驚くべき数値を得るには、多少の改良で十分なのだから。
それゆえ、シャシーこそが今回のモデルチェンジにおける注目点である。アヴェンシスにはじまりオーリスなど多くのモデルが今後数年のうちにTNGAプラットフォームを採用することを考えてみて欲しい。フォルクスワーゲンの虎の子(結構、値も張る)とも言えるMQBシャシーに対するトヨタのグローバル・プラットフォーム戦略がどのようなものか、このプリウスで占うことができるのだ。