セアト・トレド1.6 TDI
公開 : 2012.09.13 15:39 更新 : 2017.05.29 18:44
■どんなクルマ?
4台目のセアト・トレドは、スコダ・ラピッドの姉妹車だ。セアト・イビーサ、そしてフォルクスワーゲン・ポロとスコダ・ファビアのベースとなったプラットフォームを延長したシャシーを持ち、その上に3ボックスのサルーン・ボディが載せられている。コンパクト・セダンは英国では本当に人気がないが、このオーソドックスなプロファイルを持つトレドは、実はハッチバックなのである。現在のレオンよりも24mm長いホイールベースは、リアのレッグ・スペースを広げただけでなく、550リッターのトランク・スペースを生み出すことになった。
スコダ・ラピッドよりも若干ながら安い12,500ポンド(156万円)からという価格は、若いファミリー層やバーゲン・プライスのクルマを求める層には訴求するはずである。尤も、その156万円のモデルの場合は、時代遅れの73bhpの1.2リッター・ガソリン・エンジン搭載車になってしまうのだが。
セアトも、本当のボトムラインは、85bhpまたは103bhpの1.2リッターTSIでないかと考えている。Sトリムで15,000ポンド(188万円)というのがその価格だ。7速DSGが組み合わせられる120bhp1.4リッターのTSIはトップ・モデルで、高速道路を使用するような通勤モデルとしては、103bhpの1.6リッターTDIが多く選ばれることとなろう。そして、今回テストしたのも、この1.6 TDIである。
■どんな感じ?
トレドの極めて保守的なボディ・ラインの綺麗さは評価に値するものだ。しかし、ウォルター・デ・シルヴァがデザインをした3代目の野心的なスタイルからすればひどく味気が無いようにも感じる。この味気なさ、言い換えればシンプルさはインテリアでも同じだ。フォルクスワーゲン・グループのトラディショナルなデザインのダッシュボードを見ることができる。
トレドの最大のセールス・ポイントは、ラピッドよりも遥かに広いスペースだ。同クラスのセダンよりも遥かに長い全長と、スーパーミニとしては当たり前の車幅だが、ファミリー・フレンドリーなスペースが造りだされている。また、その車幅は、駐車を非常に簡単なものとしてくれる。
トレドのサスペンションは、複雑な凹凸のある路面では、非常にぎこちない。リアのビーム・アクスルは、マイナーな凹凸でもポンポンと跳ね、滑らかなスペインの高速道路上でも落ち着きをみせることはなかった。
フロント・ヘビィの傾向があるようで、ステアリングは絶えずアンダーステアを示た。
エンジンの話をすれば、1.6 TDIは真面目で経済性に優れるパワー・ユニットということができよう。5速マニュアルとの組み合わせでも、許容できる騒音の範囲でもあった。
SEトリムは16インチのアロイ・ホイールが組み合わせられるが、燃費は25.0km/l、そしてCO2排出量は106g/kmだ。
更にエコノミーなバージョンは88bhpで来年追加されることになっている。アイドリング・ストップを備え、100g/kmを切るという。
■「買い」か?
本当にスペースが必要で、値引き交渉が下手な人であるのなら、トレドは価値のある1台だ。エキサイティングなドライブを望むことは不可能だが、メーカーが想定してる顧客も、そのような味わいを望む人たちではないのだ。
(ニック・カケット)
セアト・トレド1.6 TDI
価格 | 17,820ポンド(223万円) |
最高速度 | 190km/h |
0-100km/h加速 | 10.6秒 |
燃費 | 25.0km/l |
CO2排出量 | 106g/km |
乾燥重量 | 1254kg |
エンジン | 直列4気筒1598ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 103bhp/4400rpm |
最大トルク | 25.4kg-m/1500rpm |
ギアボックス | 5速マニュアル |