テスラが初のSUVモデル、モデルXを公開
公開 : 2015.10.01 22:50 更新 : 2017.06.01 02:03
テスラは初のSUVモデル、モデルXを公開した。今年末までにはヨーロッパでの発売を予定している。
この7シーターSUVは、2013年に公開されたプロトタイプ、モデルXをベースに、最も重要なアイデンティティである “ファルコン・ウイング” をそのままの特徴としたモデルである。このリア・ドアは、クルマの両側左右に30cmほどの余裕があればキャビンに乗り込むことが可能というもの。しかも、それぞれのドアに取り付けられたソナー・センサーが周囲をモニターし、どのぐらいドアを開けて良いかを自動的に判断するという。また、ドライバーズ・ドアは自動的に開閉する。
このSUVモデルのためのモーターは、フロントに503ps、リアに259ps、合計で761ps、98.6kg-mのパワー、トルクを発生する。これは、モデルS P85Dと同じもの。パフォーマンスは、0-100km/h加速が3.2秒、そしてトップ・スピードは250km/hだという。
フロア・マウントされたバッテリーが、モデルXに低い重心位置を与え、”エキサイティングなパフォーマンス、そして優れたハンドリングのための理想的な重量配分” をもたらしたという。
そのボディは、テスラが言うにはいままでのどのSUVよりも低い0.24というドラッグ係数を持つという。また、その重さは2468kgだ。これは、レンジローバー・スポーツ・ハイブリットやBMW X5 eDriveよりも重い。
シグネチャー・バージョンは、90kWhのバッテリー・パックを搭載し、最高400kmの航続距離をマークする。また、モデルSと同じ “ルディクラス(馬鹿げた)” モードを持ち、このモードにした場合は0-100km/h加速が3.2秒となる。スタンダード・モードの場合は3.5秒だ。
スタンダードな90Dは、414kmの航続距離が有り、0-100km/h加速は4.8秒だ。
なお、アクティブ・スポイラーは、スピードに応じて3段階に調整される。
インテリアは想像どおりモデルSがベースとなっている。そのため、中央には17インチの巨大なタッチスクリーンのインフォテインメント・システムが装備される。フロント・フェイシアにはHEPAフィルター・システムが組み込まれており、メディカル・グレードのフレッシュなエアを室内へもたらすとされる。
テスラはモデルXのブートスペースには今回言及していないが、牽引能力は2276kgとアナウンスしている。
安全装置は、フロント・カメラ、レーダーとソナーのセンサーを利用した自動エマージェンシー・ブレーキ、側面衝突発見システムなど。また、パーキング・アシスト・コントロールも持つ。テスラはワイヤレスによってこれらシステムのアップデートが自動で行なわれ、その結果、安全機能を絶えず向上させるとしている。また、このアップデートを利用して、いままでで最も自律走行に近いモデルXを造り上げるとしている。
世界で最も安全なクルマを目指し、テスラXはNCAPを含めあらゆる国での安全テストを受け、そのすべてで完全なる5つ星評価を得たいとテスラはコメントしている。テスラは、ボンネットの下がエンジンを収めるスペースではなく、衝撃を吸収するスペースに使用できることが有利だとしている。
自動車用のバッテリーパックとパッセンジャーはアルミニウム製のピラーをして隔てている。また、このピラーによって剛性アップが図られているという。
カリフォルニアで最初のモデルXがオーナーの手に渡されたイベントで、テスラのCEO、エロン・ムスクは、「どんなジャンルのクルマでもEVとして製作可能であることを示したかった。われわれは既にスポーツカーがEVモデルで可能なことを示したし、サルーンに於いては言うまでもない。そして今度はSUVがEVとして可能なことを示した。」と語った。
このモデルXもテスラのカリフォルニア工場で生産される。テスラの生産責任者であるギルバート・パッシンは、すでに工場がマルチボディに対応するようになっているという。
モデルXのためのバッテリーは、将来的には2017年にオープンするギガファクトリーによって供給されることとなる。この工場が完成すれば、全経費が最高30%ほど削減できるというレポートもある。2020年までに年間500,000台を目指すテスラにとってこのギガファクトリーは重要な役目を果たすのだ。
ムスクはブルームバーグのインタビューに、このモデルXの登場でテスラのセールスは2倍になると語っている。2015年には年間55,0000台を販売する予定だ。
なお、モデルXの価格は£65,000(1,170万円)からとなろう。