フォード・フォーカス・スポーツ+ EcoBoost

公開 : 2015.10.05 23:55  更新 : 2017.05.29 18:53

  • 縦列駐車、縦列からの脱出に対応したアクティブ・パークアシスト。

  • 新採用のパドルシフトは、右のパドルがシフトアップ、左がダウン。

こうした操縦性やコントロール性については、ゴルフや308といった最近の後発組に肉迫されつつあったが、今回のマイチェンを機に、きっちりとクラストップに返り咲いたといってよい。フォーカスは最新Cセグメントとしてはサイズが大きく重いほうで、燃費性能にそのデメリットがうかがえるが、重厚感、乗り心地、静粛性、剛性感……などでは、その質量は逆にメリットでもある。

■「買い」か?

今回試乗したスポーツ+だと、車両本体価格は349万円。だれの目にも明らかな最強ライバルはVWゴルフで、そのゴルフのなかでも、性能や装備内容でフォーカスに近いのはTSIハイライン(本体価格324.2万円)だ。

本体価格ではゴルフTSIハイラインのほうが安いのだが、電動レザーシートやACC(ゴルフではオプションのセーフティ・パッケージ)など、主要装備を揃えると、わずかにフォーカスのほうが安い計算になる。ただ、オートブレーキやACCの詳細機能、細かな室内装備ではゴルフに分があり、手放しでフォーカスのほうが買い得……といわせないのは、さすがゴルフである。さらに「もっと安い選択肢を」というハナシになると、2グレードしかないフォーカスはそもそも選択肢に入ることすらできない。

ただ、こうした些末(!?)なバイヤーズ・ガイド情報を横に置いても、ステアリングを握っただけでホレさせてしまう魅力が、フォーカスにはある。DCTからトルコンATに換装された変速機を “ランクダウン” などと錯覚する新技術オタクもいるかもしれないが、滑らかな変速、不意の加減速にも穏やかに反応する融通性、小排気量ターボとのマッチング……など、DCTにはないトルコンATの利点も多い。

フォードにかぎらず、DCTからトルコンATへ回帰する機運もなくはない。少なくとも、フォーカスのたおやかな身のこなしには、トルコンATのほうが確実に似合っている。

(文・佐野弘宗 撮影・花村英典)

フォード・フォーカス・スポーツ+ EcoBoost

価格 3,490,000円
燃費 14.3km/ℓ
乾燥重量 1420kg
エンジン 直列4気筒1497ccターボ
最高出力 180ps/6000rpm
最大トルク 24.5kg-m/1600-5000rpm
ギアボックス 6速オートマティック


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