日産GT-Rトラック・エディション

公開 : 2015.10.05 23:40  更新 : 2017.05.29 19:27

一方の後端はしっかりと落ち着いている。たっぷりとしたトルクを受け入れられるだけの受け皿があり、後から前へと力強く蹴りあげてくれる。

ステアリングはクイック。重みも適切。ただし状況を理解するよりも先に、勝手にクルマが進んでいる感じがある。スピード・メーターの表示する数字の変化しかり。技術はここまで進んだのかと反射的に身構えてしまう。

価格に対するテクニカルな進歩は十分すぎるほど。実際に運転することで、同じようにナンバーをつけたクルマでGT-Rに匹敵する完成度の高さをもちあわせたクルマは数少ないと感じた。

■「買い」か?

もちろん買い。“スピードだけが魅力ではない” と胸を張っていえるクルマが誕生した。

ただし、やや冷徹であることは事実。医療用の精密な機器をどこか思い出させる。

もちろんこういったクルマが好きな人にとっては、これほど喜ばしいことはないのだが、味わいとでもいおうか、本質的な ‘なにか’ が欠けているのだ。

しかし、その一方でトラック・エディションの立ち位置は好ましい。フル・スペックのGT-R NISMOに引けをとらないトラクションや制動力、グリップ力はトラック・エディションならではの魅力である。

標準のGT-Rの先にある世界を見てみたいのだが、フル・スペックのGT-R NISMOまでは……という向きにとって、トラック・エディションは特別なものとなるだろう。

(マット・プライヤー)

日産GT-Rトラック・エディション・エンジニアード・バイ NISMO

価格 £88,560(1,615万円)
最高速度 315km/h
0-100km/h加速 2.7秒
燃費 8.5km/ℓ
CO2排出量 275g/km
乾燥重量 1740kg
エンジン V型6気筒3799ccツイン・ターボ
最高出力 550ps/6400rpm
最大トルク 64.4kg-m/3200-5800rpm
ギアボックス 6速デュアル・クラッチ


▶ 海外初試乗 / 日産GT-R NISMO

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