フォード・エコスポーツ
公開 : 2012.09.14 19:30 更新 : 2017.05.29 18:55
■どんなクルマ?
フォード・エコスポーツは、小型SUVとしてブラジルで設計され生産されるクルマだ。しかし、この新しいクロスオーバーは「One Ford」戦略の下、世界中に輸出される。
また、フィエスタのプラットフォームを使用するエコスポーツは、今年初めのモーターショーで発表されたコンセプトカーに忠実な姿で登場したのも驚きに値する。大きい、口をあんぐりとあけたグリルは、フィエスタとは非常に異なる印象を与える。そして、高いボンネット・ライン、マシンガンのようなフォグランプ、そして傾斜のきついウインドスクリーンなど、かなりラディカルなイメージがある。
特に素晴らしいのがそのリア・スタイルだ。Cピラーとラップラウンドしたリア・スクリーンは非常に良くマッチしている。そして、リア・ドアにマウントされたスペア・ホイールもマッチングが良い。それでいて、長さは4m未満を保っているのだ。
■どんな感じ?
高いキャビンに乗り込むことはとてもイージーで、一旦乗り込んでしまえば十分なレッグ・スペースが、高いポジションのシートの前にある。そのインテリアは、最新のフィエスタと非常に似ているが、ややライトな感じを受ける。リアのドアは、少し小さめだから、フロント・シートへのアクセスよりはほんの少しだけしづらい。しかし、やはりそのレッグルームは十分なスペースがある。
とはいうものの、コンパクトSUVだ。従って、それほど風通しの良いキャビンを期待してはいけない。一部のライバル達は、このエコスポーツよりも広いリア・スペースを持っているのも事実だ。そのトランク・スペースは346リッターで、リア・シートを倒しても560リッターというからそう多くはない。
ブラジル産のエコスポーツのエンジンは113bhpのパワーと15.9kg-mのトルクを持つ1.6リッターのガソリンだ。高速道路では、1243kgのエコスポーツを感動的に走らせるミッド・レンジの力がある。そして、右足に力を込めれば、力強い走りを披露してくれるのだ。風切り音もおさえられ、ロード・ノイズも小さい。
フィエスタと同様、ステアリングは軽くフィーリングも良い。リラックスしたペースで走ることのできるボディ・コントロールと、程よい重さのブレーキがこのクルマをドライブすることを楽しくしてくれる。ギアボックスも軽く非常に滑らかだ。
エコスポーツをよりハードに走らせたとしても、ボディ・ロールもサスペンション・ダイブも多くなることはなかった。また、ステアリング・ホイールには、グリップ感が非常に良く伝わってきた。
■「買い」か?
サンパウロの路上では、エコスポーツのスポーティなセットアップは固すぎると感じた。フォードは、快適さとグリップの妥協点をそれぞれのローカルに合わせていく必要があるだろう。しかし、フォードがエコスポーツを本気でグローバル・カーにしていこうと考えていることは事実だ。
総じて魅力的で、ファン・トゥ・ドライブで、快適で、十分に広く、装備も申し分なく、そしてなによりもシティ・ストリートに最適なサイズのSUVであることも間違いないことだ。
(シャープール・コトワル)
フォード・エコスポーツ
価格 | 14,000ポンド(176万円) |
最高速度 | 180km/h |
0-100km/h加速 | 11.9秒 |
燃費 | NA |
CO2排出量 | NA |
乾燥重量 | 1243kg |
エンジン | 直列4気筒1596cc |
最高出力 | 113bhp/6000rpm |
最大トルク | 15.9kg-m/4250rpm |
ギアボックス | 5速マニュアル |