text & photo:高桑秀典 (Hidenori Takakuwa)
海沿いの長浜海浜公園を会場として、今年も熱海HISTORICA G.P.が開催された。「世界の名車フェスティバル」という副題を持つ同イベントは今回が4回目で、初回から数多くの参加者を集めてきた。
昨年は土・日の両日に車両展示を行ったが、今年は初日に伊豆半島を巡るマウンテン・ラリー「Le TOUR De IZU」を新たに加えたこともあり、2日目は恒例となっているホテル・ニューアカオ・ハーブ&ローズガーデンでのヒルクライム「Red Tail Hill Challenger’s cup」(約1kmのコースを2回走り、その誤差を競う)のみを実施。今後を見据えた新たな試みとされた。
参加対象車は1990年までに製造された国内外のクルマ(アルファベットのAから始まる熱海にちなんで、ブランド名がAから始まるアルファ・ロメオ、アストン・マーティン、アバルトおよび毎年のフィーチャー・メイクスには年式を問わず参加資格が与えられる)で、今年も270台前後のエントリーがあった。全国各地から新旧様々なクルマが熱海へと駆けつけ、初日の会場である長浜海浜公園が相模湾に面した美しい芝生&石畳スペースということもあり、世界の名車による競演で日本とは思えないような素晴らしい光景が広がった。
10時から15時まで初日の車両展示イベントが行われ、14時からは恒例となっている「The Best-Looking Car in 熱海 G.P.」の発表があった。今回はゴールドのトヨタ 2000GTが1位に選ばれ、トロフィーが授与された。
14時半から「熱海 G.P. RUN」のドライバーズ・ミーティングがあり、イベント参加者たちは15時から熱海の街中を走るパレードランに出発した。
熱海 G.P. RUNを走り終えた各車は、スタート/ゴール地点である長浜海浜公園で順次チェッカーフラッグを受け、初日のみに参加するエントラントはここで解散となった。
夜の熱海G.P.ナイト(パーティ)に参加するエントラントは、パーティ会場かつ宿泊先であるホテル・ニューアカオのパーキング・スペースへと向かった。パーティ後は温泉を堪能しつつ、初日の夜は更けていき、翌日のヒルクライムに出走する参加者は早々に床についた(といっても、深夜0時すぎのことだが……)。
2日目は早朝の6時半から9時までのスケジュールでヒルクライムを行い、こちらには30台弱が出走。見学も限定40名がOKだったので、早起きが得意なギャラリーが各車の走りを見守った。ヒルクライムにエントリーしない参加者は、2日目の朝食後に帰路へつき、熱海をあとにした。
イベントの実行委員長を務めている是枝正美氏によると「熱海HISTORICA G.P.は熱海の観光アイテムとしての展開を目指すと共に、マウンテン・ラリーを通じ、伊豆半島の素晴らしさを全国へ発信。自動車の文化や魅力を次世代に継承する契機としつつ、交通安全を広く啓発する機会でもあり続ける」そうだ。
すでにクルマ好きの間では定番イベントとして定着した熱海HISTORICA G.P.は、これかも熱海と共に大いに発展してゆくことだろう。
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オープニングセレモニーはA.C.J会長の是枝正美さんの挨拶で始まった。
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車両展示会場である長浜海浜公園は、相模湾に面した芝生スペース。
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公道では見かける機会がほぼないといえるロケットなども参加。
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今年のフィーチャー・メイクはマセラティで、高年式車もOKだった。
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1962年型 マセラティ 3500GTI
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1975年型 マセラティ・メラクSS
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1993年型 マセラティ 430
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2004年型 マセラティ・スパイダー
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2006年型 マセラティ・スパイダー
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Tokyo Bayside Classic Cup Series参戦車の展示コーナーも出現。
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今年は初日に伊豆半島を巡る「Le TOUR De IZU」が併催された。
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「Le TOUR De IZU」は全行程137kmのタイムラリー。23台が参加。
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BMW 1600Ti(1967年型)はタイムラリーとヒルクライムに出走。
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ラリーにはルートマップが用意され、参加者はこれを見ながら走った。
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タイムラリーのエントラントは、お揃いのポロシャツを着用した。
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The Best-Looking Car賞1位 1970年型 トヨタ2000GT
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The Best-Looking Car賞2位 1963年型 トライアンフ TR4
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The Best-Looking Car賞3位 1964年型 アルファ・ロメオ・ジュリアSS
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ラリーの途中で熱海 G.P. RUN参加車とすれ違う場面が多々あった。
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タイムラリーのゴールゲートが熱海 G.P. RUN参加車をお出迎え。
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初日の夜の熱海G.P.ナイトはホテル・ニューアカオを会場として実施。
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熱海G.P.ナイト内で「Le TOUR De IZU」の表彰式が行われた。
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1963年型 アストン・マーティン DB4 ヴァンテージ
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1983年型 トライキング
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1972年型 ボルボ 1800 ES
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1984年型 ランチア・ベータ・モンテカルロ Sr-2
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1959年型 BMW 600
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1910年型 ロールスロイス・シルバーゴースト
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1990年型 ロールスロイス・シルバースパー・リムジン
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1969年型 BMW 2000CS
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1974年型 ジャンセン・ヒーレー
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1960年型 ダットサン・フェアレディ1200 SPL212
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1974年型 ディーノ246GTS ビッザリーニ・スペチアーレ
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2012年型 アバルト 500
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1970年型 フィアット・アバルト 595
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2014年型 アバルト 500
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2013年型 アバルト 500 G-TECH コンプリート
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アルファ・ロメオ・ジュリエッタ SZ
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1974年型 フィアット124アバルト・ラリー
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1972年型 フィアット124アバルト ・ラリー
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1964年型 アウトビアンキ A112 アバルト
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1974年型 フィアット 124 スパイダー・アバルト・レプリカ
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フィアット・アバルト 850TC ニュルブルクリンク
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ヒルクライム:1位 1972年型 アルファ・ロメオ 2000GTV
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ヒルクライム:7位 1990年型 ローバー・ミニ
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ヒルクライム:12位 1970年型 MG ミジェット
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ヒルクライム:13位 1979年型 フィアット X1/9 プロトティーポ
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ヒルクライム:18位 1967年型 アルファ・ロメオ・ジュリア・スプリント
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ヒルクライム:20位 1959年型 エルヴァ Mk-V
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ヒルクライム:21位 1986年型 ランボルギーニ・カウンタック QV
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ヒルクライム:24位 1984年型 フェラーリ 308GTS
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オートメディックの田中代表はBMW 1600Tiで1本目だけ走行。
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ゴール地点でチェッカーフラッグを振ったのは是枝氏が担当した。
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今年の優勝車は2回走ったタイム差が僅か0秒11だった。また来年!