フェラーリF12tdfがデビュー

公開 : 2015.10.14 22:50  更新 : 2017.06.01 02:03

フェラーリF12ベルリネッタをベースに軽量化とエンジンのパワーアップをしたモデル、F12tdfをデビューさせた。

クラシック・フェラーリ・ファンには馴染み深いtdfというネーミングは、ツール・ド・フランスの頭文字をとったもので、1956年のコンペティション・モデル、250GTベルリネッタtdfがそのオリジナルだ。

F12tdfは、サーキットでもその実力を発揮することのできる究極のロードカーというコンセプトのもと造られたもので、最高のドライビング・エクスペリエンスを与えることのできるクルマだとフェラーリはアナウンスしている。

限定799台が生産されるF12tdfのV12パワーユニットは、スタンダードなF12ベルリネッタの740psから780ps/8500rpmまでパワーアップされ、トルクも70.4kg-mから71.9kg−mにアップされている。2500rpm以上であれば最大トルクの80%を発揮するという。

パフォーマンスは、0-100km/hが2.9秒と、マクラーレン675LTと同一で、マキシマム・スピードは340km/hに達する。CO2排出量は360g/km、そして公式の燃費は6.5km/ℓだ。

フェラーリは、このF12tdfのためにF1で開発された燃焼効率を上げるための仕組みを入れ込んだとしている。また、デュアル・クラッチ・トランスミッションもショート・レシオの新しいものが組み込まれている。更に、ラ フェラーリで使用されるのと同じワンピースのブレーキ・キャリパーも採用されている。この新しいブレーキは、100km/hから0km/hまでの制動距離が30.5mというハイ・パフォーマンスなもの。

フェラーリによれば、通常のF12ベルリネッタよりも機敏でパワフルでありながら、エキスパート・ドライバーでなくともその性能が味わえるクルマに仕上がっているのが、このF12tdfであるのだという。

このF12tdfは、フィオラノのテスト・コースで、F12ベルリネッタや488GTBの1分23秒よりも速い1分21秒のタイムを叩き出している。ちなみに、現在、フィオラノの最速タイム・ホルダーはラ フェラーリの1分19秒70だ。

F12tdfはF12ベルリネッタよりも大きなサイズのフロント・タイヤを持ち、自然とオーバーステアになる傾向を打ち消すためのリア・ホイール・ステアリング・システムを備える。この4WSシステムは、バーチャル・ショート・ホイールベースと呼ばれるもので、最適なリア・ホイールのステアを自動的に与えるもの。具体的には、ステアリング・ホイール・レスポンスに優れ、コンペティション・モデルなみのターンインを確保する一方で、高速での安定性を増しているものだという。

長く高い位置に取り付けられたリア・スポイラー、大型化されたサイド・エア・ベント、リデザインされたリア・ディフューザ、そして新しいホイール・アーチ・ルーバーなどが特徴。そして20インチのホイールがこれにセットされる。その結果、ダウンフォースはF12ベルリネッタに比べて30%ほど増しているという。また、カーボンファイバーの使用範囲を増やしたことで、重さは110kgほどダイエットした1630kg。また、エアロダイナミクス効率は、F12ベルリネッタの倍とされている。更に、オプションのライトウエイト素材を装着した場合は、その重さは1415kgになるという。

インテリアにもウエイトを下げるための造作がなされており、伝統的なグローブボックスは膝パッド型のシンプルなものに変更され、ドアパネルはカーボンファイバー製となる。また、大部分のキャビンのマテリアルは本革に代えてアルカンタラが使用され、フロア・マットに代えてアルミニウム・プレートが装備される。

その価格はまだ発表されていないが、当然F12ベルリネッタよりは高価になる。このF12tdfのデビューは、11月8日に行なわれるフェラーリのモンディアル選手権最終戦の会場、ムジェッロ・サーキットとなる予定だ。


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