ロータス3イレブン、ニュルブルクリンクでのテストを公開
公開 : 2015.10.14 22:30 更新 : 2017.06.01 02:03
ロータスは来年2月の発売を控えて3イレブンで2週間のニュルブルクリンクでのテストを行った。900kgを切る車体に456psのエンジンを搭載した最も高価なロータスは、今年の夏、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで発表されたばかりのモデルである。
およそ1200マイル(1931km)のニュルブルクリンクのテストで、3イレブンは7分6秒というタイムを擬似的にマークしたのだ。これは、2つのセクターの最速タイムを合算したものだが、ロータスのテスト・ドライバー、マーク・バッセンによれば7分を切るタイムも可能だったという。
ロータスのCEO、ジャン・マルク・ゲールズは、1億9000万円という遥かに高価なポルシェ918スパイダーが持つニュルブルクリンクでの7分を切るタイムを、この3イレブンで更新するつもりだ、とコメントしていた。
クルマは2つのバージョン、つまりロード・バージョンとレース・バージョンの2つが用意される。仕様によって異なるが、価格は£82,000(1,590万円)から£115,200(2,240万円)の間となる。
ゲールズは、この3イレブンに関して、ロータスのイディオムが失われていなことの証明だとし、伝説的なハンドリングと強烈なスピードを届けることとなると話している。実際、ヘセルにあるテスト・コースでは、従来の最速のロータスよりも10秒以上速い1周1分22秒のタイムを叩き出しているという。
ストレート・ラインのパフォーマンスも強力だ。0-96km/h加速が3.0秒というタイムは、マクラーレンP1やラ フェラーリと同じ領域である。最高速度はレース・バージョンでは280km/h、ロード・バージョンでは若干高いギアリングをを与えられていることもあって290km/hとなる。
また「3イレブンの持つハードコアなパッケージにエンジニアリング・ハウトゥが凝縮されている。もちろん、それは万人向けとは言えないが。しかし、このハウトゥは、将来のロータス全モデルに繋がる重要なコンセプトでもある。」とも語った。
搭載されるエンジンは、横置きにミッドマウントされる3.5ℓユニット。トヨタのV6をベースに、スーパーチャージャーとインタークーラー、そしてヘゼルでデザインしたエンジン・マネジメントが組み合わせられる。パワーは456ps/7000rpm、トルクは45.9kg-m・3500rpmという値だ。
ギアボックスはロード・バージョンはコンベンショナルなHパターンの6速マニュアルにレーシング・クラッチという組み合わせ、レース・バージョンではパドルシフトを備えたXトラックのシーケンシャル6速が組み合わせられる。共に、トルセンタイプのリミテッド・スリップ・ディファレンシャルが装備される。
シャシーは、ボンドとリベット留めされたアルミニウムのモノコック・タブという他のロータスと基本的に同じ作りだが、その強度は大幅に向上しているという。
ロード・バージョンのロールケージはサイド・インパクト・バーを統合したタイプ。そしてレース・バージョンのロールケージはFIAのレギュレーションに従ったものだ。
ボディ・パネルは一般的なグラスファイバーよりも40%ほど軽い新素材が、世界ではじめてプロダクション・カーに用いられた。デザインはロータスのインハウス製で、大きなクーリング・スクープと排気用のベントが開けられてはいるものの、エアロダイナミクスを最優先したものとなっている。ロールバーまでもがエアロダイナミクスを考えた形状とされている。また、ロード・バージョンとレース・バージョンではフロント・スピリッターやリア・スポイラーのデザインが異なる。ちなみに、レース・バージョンでは、241km/hで215kgのダウンフォースを発揮するという。
コクピットは最小限の装備しかない。エアロ・スクリーンの下にはTFTタイプのスクリーンがあるだけで、ライトウェイト・タイプのロータス・オリジナル・デザインのバケット・シートがひとつだけ着く。クイック・リリース・ステアリング・ホイールと、4点式のハーネスはどちらのバージョンであっても標準装備となる。
ロード・バージョンのオーナーは、パッセンジャー部分をトノー・カバー・パネルで覆ってしまうか、あるいはそのカバーと取り払ってパッセンジャー・シートと取り付けるかの選択ができる。
軽量なコイル・スプリングを持つ4輪独立ダブル・ウィッシュボーンのサスペンションは、オーリンズのダンパーとアジャスタブル・フロント・アンチロール・バーが装備される。
両バージョン共にホイール・サイズはフロントが18インチ、リアが19インチで、ミシュラン・パイロット・スーパー・スポーツがロード・バージョンに、ミシュラン・カップ2がレース・バージョンに履かされる。
ブレーキは、2ピースのドリルド・ベンチレーテッド・ディスクで、APレーシングの4ポット・キャリパーが与えられる。
この3イレブンと、最近発表されたエヴォーラ400には、世界的に大きな需要があるとロータスでは読んでおり、現在、1週間に45台という生産を、この9月までの90台にまで伸ばしていきたと考えているようだ。この3イレブンは、ディーラーでもロータスのレーシング部門からもオーダーが可能で、デリバリーは来年4月からを予定している。