ボナムス・ザウテ・オークション

●2015.10.09　 ザウテ／ベルギー. 今年もベルギーのザウテで新しめのスポーツ／GTモデルを中心としたオークションが行われた。現在のオークションで人気の中心にあるモダンモデルがバラエティ豊かに用意された。  
今年で7回目を迎えるザウテ・グランプリはヒストリックカーを中心としたイベントで、ラリーやコンクール・デレガンスまで行われるベルギーではメジャーなイベントのひとつである。そのザウテ・グランプリのプログラムのひとつとして、ボナムス・ザウテ・オークションが開かれた。 今回は47台が用意され、最も古いモデルが1954年型ジャガー XK120SE ロードスターで、主流は'60〜90年代だった。ここでのニュースはフェラーリ365GTB/4 デイトナが遂に大台を超える1億1344万円を記録したことだ。特別なヒストリーを持たない普通のデイトナだけにことさらだ。このほかフェラーリSAアペルタも新記録となる1億2211万円で落札された。 今回注目されたのが隣国のオランダでパトカーとして使用されていた1974年型ポルシェ911タルガだ。以前356のパトカーが出品され人気を集めたが、今回も1734万円まで値を上げた。 ザウテ・オークションの出品車はヨーロッパ各地から集められたもので、ここで出品されたマツダ・コスモ・スポーツも、当時フランスで3台のみ販売されたうちの1台だった。このコスモ・スポーツは残念ながら最低落札額に届かず流れてしまった。 このほか'60〜70年代のマセラティが数多く姿を見せた。イタリアとオランダに住んでいたクルマで、どれもマセラティらしいシックなボディカラーを纏う。なかでもモデナ・ナンバーのメラクは、イタリア国内向けで213台のみが作られた貴重な2ℓ仕様だったが1072万円に留まった。 このほか値を上げているのは1961年型アルファ・ロメオ 2000 スパイダー(1324万円)、1980年型BMW M1(6381万円)、極初期型のフラットフロアでエターナル・フードロック・タイプの1961年型ジャガー Eタイプ・シリーズ1 3.8ℓ・ロードスター(3860万円)、走行1080kmの1992年型ジャガーXJ220(5987万円)、1968年型ポルシェ 911S タルガ(2679万円)等が目につく。 いっぽうでロータス・エリートは867万円、ランチア・アッピア・クーペが788万円と本命から外れたモデルは、コレクターズカーが高騰する中で、一昔前と変わらぬ額で落札されていた。また高めの最低落札額とされた物件も流れてしまった。 このオークションに場違いなスマートは、ベルギー美術界の巨匠だったジャン・ミシェル・フォロンが制作したアートカー。地元ブリュッセル出身のアーティストの作品だったが、クルマ好きにはお門違いだったようで127万円に留まった。 今回は落札された全車(写真の無いジャガーXK150を除く)と、注目の車両をご覧いただこう。