トヨタ・ミライ

公開 : 2015.10.19 23:40  更新 : 2021.01.28 18:23

今となってはお決まりになりつつあるが、ミライを動かすエレメントはストラクチャー底部に集約されているため重心高は低い。それゆえに安定感は高い。

ステアリングから伝わるフィードバックは決定的に欠落しているが反応はダイレクト。路面の凹凸は手際よくいなしてくれるため、サルーンとしても不足はない。

3代目のプリウスは口では言い表せないほどの乗り心地であったが、ミライは小さいバンプから大きい凹みまで瞬時に吸い込んでしまう。これは意外であった。

ただしミライには大きな欠点もある。

ミライにしかない固有のキャラクターが皆無なのだ。多くの先進的なクルマがそうであるように、思わずドキドキしてしまうような深みがない。

間違いなく他に負けない強みはあるのだが、目的もなく出かけて行きたくなるような旨味はない。もしかすると技術だけで十分だという人もいるのかもしれないが。

■「買い」か?

将来的な繁栄のキーを握るのはEVだけではない、と他メーカーの発想の転換になることは間違いない。コードをつなげることなく環境にフレンドリーなクルマを維持できるのだから、当然といえば当然である。

初代プリウスと同じように、アーリー・アダプターは喜んで飛びつくだろうし、さらに自分をエコな人間だとアピールしたい人にとっても重要なアイテムとなることは自明。

ただし初期の輸入台数はあまりに少なすぎるため、しばらくは、これまで同様にマイノリティでありつづけるだろう。

(グレッグ・ケーブル)

トヨタ・ミライ

価格 £66,000(1,217万円)
最高速度 180km/h
0-100km/h加速 9.6秒
航続可能距離 483km
CO2排出量 0g/km
乾燥重量 1850kg
エンジン AC電気ジェネレーター
最高出力 155ps
最大トルク 34.1kg-m
ギアボックス シングル・スピード


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