DS 4 THP 210
公開 : 2015.10.23 23:40 更新 : 2021.01.30 22:11
一方のエンジンの反応はリニアリティに富み、奥行きのある外観にぴったりと合った音を奏でる。パワーも申し分ない。
しかし、品のあるクルマをサラリとおとなしく乗っていたい向きが喜ぶかどうかは別の話。エンジン音が必要以上にうるさいという意見が聞こえてきそうだ。
6速のギアボックスの操作感は心地いい。ストッピング・パワーは十分であり、急激に効きすぎないぶん安心してペダルを踏むことができる。
フロント・シート周辺はたっぷりとした余裕がある。納得のいくドライビング・ポジションを見つけやすいのもいい。ただシートのサポートは不足している。
DSにとって大事な質感は良くも悪くも及第点。シートに用いられるレザーのセンスはよく、ステッチにもズレは見当たらないだが、あらゆるトリム・パーツに傷がはいりやすいのだ。
ウインド・ノイズやロード・ノイズは車内に介入しやすいものの、DSブランドの品格を台無しにするほどではない。ナビやメディア・システムもなかなかにいい仕事をする。
ただし後席環境はこれまでと変わらない。ドアを見ればアクセスのしづらさは想像しやすいかもしれないが、いざ身をおさめても「さて、ここからどうしよう」と迷うほど窮屈だ。それだけでなく、リアのサイド・ウインドウははめ殺しである。フラストレーションが溜まったとしても自然ななりゆきだといえよう。