キャデラックATS-Vクーペ
公開 : 2015.10.26 23:50 更新 : 2017.05.29 18:32
しかし、ひとたびアクセルを踏めばそんなことはまるで気にならなくなる。まずは音。日産GT-Rの調律された音よりももう一段階リファインされている。さらに踏み込めば、ゴロゴロと勇ましい唸り声を響かせる。
もっと踏みこんでみる。アクセル・ペダルが床につくころにはキャビンの中には得も言われぬ快音がこだまする。エンジンは6500rpmのリミッターまで突きぬけるように跳ねあがる。
些細な踏み加減にも従順に反応してくれるスロットル・ペダルとLSD、そして絶妙なチューニングのサスペンションのおかげでパワーをコントロールしやすい。
それだけに、ギアボックスの仕立てが我慢ならない。オートマ・モードならば大人しく、なめらかに変速してくれるのだが、マニュアル・モードだと反応が鈍すぎるのだ。玉に瑕とはこのことだ。
さらに違和感を感じるのはブレーキを踏んだ時だ。フロントには6ピストンのブレーキがついているのだが、ペダル・ストロークが小さく、足の裏にに伝わる情報が少なすぎる。