フォード・フォーカス vs ヴォグゾール・アストラ vs セアト・レオン
公開 : 2015.10.27 23:55 更新 : 2017.05.29 19:30
いよいよ路上へ
タッチスクリーンの使用感に関しては芳しい結果が得られなかったが、コンパクトになった点と車重が減ったことが走りに好印象をもたらしているアストラ。
先代のガソリン・ユニットはあまり生き生きとしていなかったのに対し、現行版は高回転まで回す気持ちよさがある。
額面をみると、4ポットは2000rpmから3000rpmのあいだで23.9kg-mを生みだす。レオンの方が1500rpmから最大トルクが湧きだすのに、瞬発力はアストラの方が優っているように感じる。
2台の0-100km/hタイムは8.0秒。現実的な環境下であれば十分な数値である。ATのフォーカスよりも速く感じるほどだが、フォーカスが搭載する24.5kg-mのエコブーストも決してアンダーパワーに感じない。
個別のテストでは明らかになりにくかったが、他と比べるとアストラには気になる点が見つかった。ペダル・フィールがややあいまいで、ギア・レバーが必要以上に長いのだ。
その点、セアト・レオンは走らせてみても嫌なところが見つかりにくい。ゴルフをはじめとするMQBプラットフォームのクルマの好例である。スタビリティも申し分ない。
18インチのホイールと内製のスポーツ・サスを組み合わせるため乗り味は引き締まっているが不快感はない。フォーカスのアシストに比べるといくぶん介入的ではあるがステアリングからも精緻な印象を受ける。
フォーカスの方はさまざまな面で成熟していると感じる。低速域の静かでやわらかな乗り心地や安定感……。レオンに一票を投じたいところだが、ファミリー・ハッチとしての平均点の高さは依然として有力である。