フェラーリのように変速を促すための赤いランプはないが、液晶に表示されるレヴ・カウンターが赤くフラッシュするため変速のタイミングはわかりやすい。もし、次々と迫りくる風景から目を逸らせるのであれば、であるが。

スポーツ・モード以外のステア・フィールはどちらかというとリラックスしていると感じる。オハイオ州をベースに開発したテスト・チームがいうには、狭い範囲の楽しさよりも全般的な気持ちよさを重要視しているのだという。グランド・ツアラーらしさが強い。

標準のコンチネンタル・コンチスポーツコンタクト・タイヤではアンダーステアが強めである。

先述のミシュラン製タイヤを履いたモデルでトラック・モードにする。ついでにスタビリティ・コントロールもオフにする。ポルシェ911ターボやアウディR8のレベルに達しているといえる。

内装は細かいところまでていねいに作りこまれている。レザーとアルカンターラを組み合わせたシートはすべりにくく、高級感もしっかりとある。

センター・コンソールは低めにセットされており、両脇にパーク-ドライブ-リバース・ボタンとe-ブレーキ。ボタンが設えられる。

アーチ状に配されたアルミニウム・パーツは車内を明るくしている。ステアリング・ホイールはカーボンを組み合わせておりNSXがどのような目的で(もちろん速く走るために)作られているかがよくわかる。