エスクードにまつわるスズキの基本戦略は、最新のEU市場を見ると分かりやすい。EU主要市場での新型エスクード(現地名ビターラ)は最初から通常のフルチェンジあつかいで、新型の発売とともに旧型はきっちり終了している。クロスとビターラの間で明確な上下関係はなく、S-クロスは “乗用クロスオーバー” としてハッチバック層の取り込みも想定して、ビターラは “本格SUV” として幅広いニッチ層の獲得をねらう。

SX4とビターラのキャラと強みをあらためて定義づけて、そこにスズキが国際的に勝負しやすいサイズと価格、そして昨今のトレンドを考え合わせると、ここが最適な落としどころと判断されたのだろう。そう考えると、旧型エスクードはやはり最終的にフェードアウトする可能性が高い。

■どんな感じ?

新型エスクードは兄弟車といえるS-クロスに対して、ホイールベースとボディ全長は明確に短いが、かわりに背丈が高くて最低地上高も大きい。室内高もわずかにS-クロスより大きい。こうした諸元上のちがいが、実際の居住空間でも比較的はっきりと感じとれる。