アウディS8プラス

公開 : 2015.10.30 23:30  更新 : 2017.05.29 18:14

標準時はセンター・デフがフロントに40%、リアに60%のパワーを振りわける。しかるべき時には、リアに100%のパワーを与えるということだ。

テスト車両にはダイナミック・パックなるものが組み合わされていた。フェードを回避するためにカーボン・ブレーキ・ディスクを組み合わせ、リミッターは249km/hから304km/hまで引きあげられている。

4本のマフラーからは地響きがするようなバリトン・ボイスを撒き散らす。周囲の人々が振り返る。ブラックアウトされたパーツも怪しげな雰囲気を醸しだしている。

「リミッターがなければ322km/hまで加速できるんです」とエンジニアのひとりがいう。タイヤの耐久性を考えてリミッターを設けたのだという。終わりの見えない加速を味わうと、氏のいうことにもうなづける。

速度制限のないアウトバーンでは、ダイナミック・モードが良さそう。ガッシリと固まったサスペンションは、マンモス級のボディをしっかりと地面に引きつけている。このモードでは、ダイナミック・ステアリングのおかげでステアリングの重みも変わる。たしかにクイックではあるが、いささか人工的なのが残念。

スケジュールの都合上、テスト・ルートにはコーナーの多い峠道を設けられなかったが、一般道を走らせてみれば重さに関係なく素早い動きをすることは明らかである。

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