油圧ラックに比べて3%の燃料消費低減を実現しているこのシステムは、同時にレスポンスの向上とフィードバックの充実度向上も可能にしているとのこと。既にわれわれはF-タイプやXEで体感している。

また、3.0ℓのツインターボV6ディーゼルも改良され、先代が275ps／61.2kg-mだったのに対して現行は300ps／71.3kg-mになっている。インジェクターをアップグレードし、ターボチャージャーの効率を高めているからである。

0-100km/hタイムは6.0秒から5.9秒になり、CO2排出量は159g/kmから149g/km、燃料消費率は15.9km/ℓから17.0km/ℓになっている。

フラッグシップ・モデルとしてロング・ホイールベース・タイプのオートバイオグラフィーが加えられ、標準でクアッド・ゾーン・エアコン、ヒーター／クーラー付きシート(全席)、マッサージ機能(後席)、1300Wのメリディアン製サウンド・システム、ナビ、DAB、デジタルTVが標準となる。

クオリティに関しては、レザー・ヘッドライナー、オーク材の内張り、ステンレス・スチールのトリムなどが、あしらわれることにより確保されている。

■どんな感じ?

シャープなコーナーをコンフォート・モードで走る時さえ、ステアリングは切れ味がよく、重みや正確性、フィードバック量は抜群。エレクトロメカニカル・パワー・ステアリングが運転の楽しさを損なっているとは到底思えない。数字が示すほど重さを感じないうえ、安定性、アジリティもかなりハイレベルだと感じる。

ダイナミックに切り替えると、コンフォート時よりもフロントはるかに引き締まる。グリップ・レベルも高いため、反応も推し量りやすい。

さらにブレーキは制動力に長けており、踏みはじめからピークに達するまでに、なめらかに効いていくため自信をもって短時間でスピードを収束させられる。