ポルシェ・マカンGTS
公開 : 2015.11.09 23:55 更新 : 2017.05.29 19:04
その気になればスポーツ・プラスにするもよし。パドルを弾けばレーザー光線のごとき鋭さのシフト・チェンジが行われ、アクセルの入力は寸分のラグなく動きに反映される。ゴージャスなバックファイヤー音は興奮を加速させる。ステアリングが重すぎるのが唯一の難点だ。
反社会的なスイッチをすべてオフにしてみるとどうだろう。これまでの激しさからは一転、リラックスしたクルーザーになる。乗り心地はふわりとしており、バンプからの衝撃も吸い込んでくれる。ボディをしっかりと落ち着けながら、である。
ただ、もう一度いうがスポーツ・モードが1番いい。アンジュレーションのうえでもしっかりと落ち着いている。荒れた路面ではタイヤ・ノイズが目立つうえ、風切り音も大きいが、モーターウェイ上でのV6エンジンはすっかりと息を潜めている。
キャビンのサイズは変わらないものの、驚くほどサポート性の高いシートと非の打ち所のないドライビング・ポジション、さらに高めにセットされたセンター・トンネルと違和感が微塵もないギア・レバーのおかげでとても居心地がいい。
前席のスペースは豊富であるが、後席はヘッドルームとレッグルームともにトップ・クラスとはほど遠い。一方のほぼスクエアな荷室は、他のライバルに比べて荷物を整理しやすいと感じる。
内装材の仕上げとフィッティングは他グレード同様に精緻な印象。アルカンターラを贅沢にあしらったステアリングやドア・パネルは他のGTSと共通である。GTSのバッジや刺繍がふんだんにあしらわれている。
残念なのはボタン点数が多すぎる点だ。1日乗りつづけたとしても、何かの操作をする度に迷うことが少なくなかった。