フェラーリF12 TdF
公開 : 2015.11.10 23:55 更新 : 2017.05.29 18:52
740psでは物足りなかった。だからこそF12 TdFが生まれたのだと思う。モア・パワー、レス・ウエイト。後輪ステア・システムも加わっている。
■どんなクルマ?
モンスターなのか? ことF12に関しては、パワーをアピールするようなクルマではなかった。それゆえに、私の心を大きく揺さぶらなかったのも事実だ。
しかしF12 TdFは違う。生産台数こそ限られているのだが、TdFの野心はアンリミテッドなのだという。
いまでこそTdFといえば、自転車レースのツール・ド・フランスのことを思い描く向きの方が多いかもしれないが、F12の場合はちと違う。
56年のコンペティション・モデル、250GTベルリネッタtdfにちなんでいるのだ。クラシック・フェラーリ・ファンにとってはこちらの方が馴染み深いだろう。
販売台数は合わせて799台。アジリティを増すための方法をいくつか持ちあわせているフェラーリであるが、すべてのプログラムを適合させることにより、フェラーリ史上例をみないレベルに達しているという。
スタンダードなF12が740psであるのに対してTdFは781ps。6.3ℓエンジンは、インレット側を見直し、ハイドロリック・タペットを機械式に変更した。
レース・マシンの技術を流用したこれは、ノイジーになる一方で軽くなる。さらにレヴ・リミットを引き上げる作用がある。おかげでレッド・ゾーンは8900rpmからとなった。