日産ナバラNP300ダブル・キャブ
公開 : 2015.11.13 23:50 更新 : 2017.05.29 19:27
■どんな感じ?
ナバラNP300は、これまで乗ったどのピックアップよりも乗り心地がいい。決して大げさではない。先代のナバラ(やリーフ・スプリングを組み合わせるライバル)が不安定になるところでも、まるでSUVのように走らせられるのだ。
たとえ大きめのバンプがあったとしても、リアはほとんどの衝撃をやり過ごす。車体が浮きあがるようなところでも、一瞬にして収束する。いかなる路面でも、これまでより快適になっている。
ハンドリングも同様によくなっている。(必要かどうかは別にして)ベンドをかなりのスピードで攻め込めるようになったし、一切の騒ぎもなく迅速にフロントが向きを変える。
スローなステアリングと物理的な問題もあって、決して楽しいと表現できる類ではないが、とてつもなく安定したクルマであるのは事実。ピックアップから想像するそれと大きくかけ離れた優秀さである。
だからといってオフロード上のアビリティに手を抜いているわけではまるでない。ダブル・キャブの場合、全グレードが4WDとなり、ギアボックスはロー・レンジに特化した仕立てとなる。
坂道発進の際は補助もつくし、前後アクスルはガシリと接合されている。もっと本気なカスタマーにはデフ・ロック機構もオプション・リストに用意されている。傾斜をグイグイのぼってゆき、岩場の上でも冷や汗をかくことはない。
ただし、先代からの飛躍的な進化を遂げているにもかかわらず、あいかわらず ‘はたらくクルマ’ を思い起こさせる部分が色濃く残っている。ラダー・フレーム・シャシーによるところが大きいのだろう。
たとえばエッジの立った突起物を後輪の片側のみが踏んだ時などに、キャビンに奇妙な振動が伝わる。この点に関してはモノコック構造かつバネ下重量が軽いコンベンショナルなSUVの方が上だ。たとえ1トン以上の荷物を荷台に積んでいたも改善されることはなかった。