EVのジャガーSUVは2017年にデビュー
公開 : 2015.11.13 22:30 更新 : 2017.06.01 01:41
EVモデルとなるジャガーの新しいSUVは2017年に発売が予定されており、そのプレビューが来年行なわれる予定だ。これは、ライバルとなるアウディQ6 e-トロンが2018年のフランクフルト・モーターショーを予定しているのより早いスケジュールだ。この両者共に価格は£60,000(1,120万円)前後で、500km近い航続距離を持つという。しかし、ジャガーとアウディよりも早く市場に放たれるのがテスラのモデルXで、アメリカでは既に販売が開始され、欧州でも来年には販売が予定されている。
スタイリングも、価格も、ターゲットとするレンジもジャガーのEVについてはまだ詳細は一切明らかになっていない。しかし、関係筋の話しによれば、モーターは4つのホイールに搭載されるインハウスになる予定だという。親会社のタータは以前、その技術を披露したが、インハウス・モーターのバネ下重量の重さの問題は既にこの時に解決済みだという。
そのデザインは、F-ペースとは異なるものが与えられる模様で、タータとしてもジャガー初めてのEVモデルを世間に大きく印象付けようという狙いがあるようだ。スタイリングは革命的とも言われるもので、ひとつにはジェームス・ボンドの最新作、スペクターの中で敢えてC-X75が使われたのもそのヒントになるという。C-X75は、2010年のパリ・モーターショーでプロトタイプが公開されたディーゼル・ガスタービン・エンジンと4つのモーターを持つモデルで、航続距離はモーターのみで45kmとされていた。当初250台が生産される予定だったが、世界的な景気の不況を受けて2012年12月に計画はキャンセルされた。しかし、C-X75が未だに高い人気を誇っていることや、今回スペクターの映画にC-X75を使用していることからも、そのデザイン・エッセンスが使用されると思われる。つまり、C-X75はデビューしてから6年後に遂に陽の目を見ることとなるわけだ。
来年われわれの前に姿を表すことになるコンセプト・モデルは、コンセプトといえどもジャガーのデザイン・ディレクターのイアン・カラムの手法に従ってほぼプロダクション・モデルに近いものと思われる。
アーキテクチャーにはXEやF-ペースと同じものが使用さえるものと思われる。このプラットフォームは、エンジンのみでなく、ハイブリッド、プラグイン・ハイブリッド、そしてEVにも対応できる設計が当初よりされていると目される。
ジャガーは、コベントリーはウィトレーにあるエンジニアリング・デザイン・センターの規模を2倍とし、主に低エミッションの開発を進めているという。また、ヘッドくォーターも、55エーカーから110エーカーに拡大して、そこにパワートレインとアドバンスド・デザイン・チームを置いた。この投資は、ますます厳しくなっていくエミッション規制に対応するためだ。また、カリフォルニアを含む7つのアメリカの州では、2018年に販売されるEVの数が、全体の5%に、そして2025年には全体の15.4%にならなくてはならないとう法律も志向される。
ジャガーはEV化をしても、そのスポーティなキャラクターを変更する予定はないという。一方同じグループのランドローバーは、より高い静粛性などといったラグジュアリーな方向にEVを振りたいようだ。
ジャガーは既にE-Vタイプというネーミングを商標として登録しているが、このネーミングが使用されるかどうかは確定ではない。また、クルマそのものは、オーストリアのマグナ・シュタイアーの工場で製作される予定である。
ライバルとなるEVのSUV達
テスラ・モデルX
既にアメリカ国内では販売がスタートし、ライトハンダー・モデルも来年にはデリバリーされる。価格は£65,000(1,210万円)からだ。モデルSと同じプラットフォームを使ったモデルで、ガルウイングのリア・ドアを特徴とする。
アウディQ6 e-トロン・クワトロ
ジャガーの最大のライバルと目させるモデルがアウディから2018年にリリースされる。プライス的にもジャガーと真っ向勝負となるモデル。ジャガーとは異なり、モーターは3つ。1つがフロント用、2つがリアで、合計は435ps。航続距離は450km程度となる。
ボルボ・エレクトリックSUV
ボルボはXC90のプラグイン・ハイブリッド・バージョンを計画しているが、それとは異なるEVモデルを2018年に登場させる予定。ベースとなるプラットフォームは、XC90にも使用されるスケーラブル・プラットフォーム・アーキテクチャーだ。航続距離あは525kmとなる。