ボルボV40 T5 R-デザイン・カーボン・エディション
公開 : 2015.11.17 23:40 更新 : 2017.05.29 19:08
■どんな感じ?
もともとスタイリッシュなV40で、白いボディに要所をカーボン生地&ブラックでアクセントづけしたモノクロカラーは、いかにも今っぽい。凝った造形のルーフ・スポイラーもちょっとした自慢になりそうである。
それにしても、V40の最新Rデザインのエンジン・スペックをあらためて確認すると、なんとも刺激的。ノーマルの最高出力(245ps)はVWゴルフGTIより高く、今回のポールスター・パッケージになると、8ps上乗せとなるうえに、最大トルクはなんと40.8kg-m(=400Nm)! これはもはやFFであることが不安になるレベルだ。
ちなみに、日本で入手可能なCセグメントで、これと同等以上のパワーをうたうFF車は、ホンダ・シビック・タイプRとメガーヌR.S.くらいしかない。400NmものトルクとFFの組み合わせ……となると、V40とシビック・タイプRだけ。しかも、タイプRとメガーヌR.S.はフロント・サスペンションにストラットとキングピンを独立させた専用品を使うが、ボルボはこの途方もないトルクを、ノーマルと同形式のストラットで受け止める。
FF最強クラスの過激なパワー&トルクに、Cセグとしては過激な19インチ・タイヤ……というV40カーボンエディションは、今回のように山坂道でムチを入れようとすると、最近のクルマとしては、かなり手ごわい部類に入る。予想どおり、トルクステアは最近ではめずらしいほど明確で、荒れた路面で不用意に前輪に荷重をかけると、走行ラインは大きめに乱れてしまう。
こうした腕っぷしでネジふせ系……のジャジャ馬FFは、20年ほど前にはけっこう存在した。正直いって洗練性には欠ける。しかし、あえて好意的にとらえれば、いかにも今っぽいビジュアルと古典的な乗り味のミスマッチ感は、好事家目線で見ると、これはこれで面白い。