ジャガーXF vs BMW 5シリーズ
公開 : 2015.11.17 23:30 更新 : 2017.05.29 19:30
機械的な洗練性と柔軟性はほとんど同じであるが、車内へのエンジン・サウンドの侵入音量とアイドリングの静けさはXEの勝ちである。
一方、BMWの直列6気筒の方が軽やかに吹けあがる傾向があり、気難しさがなく馴染みやすいとも感じる。
XFの方がパンチーに感じるのはミドル・レンジのトルクが理由であるが、ギアボックスを含めた反応の素早さはBMWが優勢だ。
現実的な走行において、エンジンの完成度は五分五分であるといえる。
参考程度に535dにも乗ってみたが、こちらはXFに比べるとホットロッドのように感じるほどパワフル。アウディのA6/A7が搭載する3.0ℓ BiTDiと比べる方が妥当である。
本題に戻ろう。
これまで同様に5シリーズはディーゼルのエグゼクティブ・サルーンを選ぶうえでデフォルトになり得るか?
いくらかのカスタマーはそうするだろう。しかし、正直に書くとするなら、動力性能上の洗練とドライバーへのアピールの観点でみた際、BMWは優れてはいるのだが、極めて優れているとはいいがたい。
乗り心地とハンドリングではXFが5シリーズを完全にやっつけている。XFの方が安定しているだけでなく、柔軟で落ち着いているのだ。
それもモーターウェイや田舎道を問わずである。前後左右の車体の動きはコントロールしやすく、身のこなしも素早い。コーナーを通して反応がよく、ステアリングを介した感覚も心地よく、コミュニケーションをとりやすい。
可変ダンパーがXFには標準でついている一方、530dはそうでない点もダイナミクスに影響しているといっていい。