text & photo:Kunio Okada (岡田邦雄)
京都の北西、嵐山-高雄パークウェイを舞台に、毎月第2日曜日に開催されているのが、高雄サンデーミーティング(略称=TSM)である。
ここは、その名のとおり嵐山と高雄を結ぶ全長10kmあまりの山岳コースでありながら、京都の中心部から30分ほどの近さで、地元のスポーツカー愛好家たちがドライビングを楽しみにくる恰好のワインディング・ロードである。ここにロータス・エランで走りに来た男とアルピーヌA110で走りに来た男との偶然の出会いが、このイベントが始まる縁となった。
走って楽しいコースだし、愛好家同士が集まって知り合うきっかけになれば、もっと楽しくなるだろうと考え、二人の出会いから始まったのが人と人の繋がりで広がり、だんだん大きな輪になっていった。言わば自然発生的な、愛好家たちの愛好家のためのイベントなのだが、高尾サンデーミーティングと名付けられてから早くも今年で9年目となり、11月で81回目の開催となった。
最近の大きな特徴は、毎月のテーマを決めていることだろう。10月はフランス車であり、11月はバブルカーなどの小さなクルマたちとスーパーカーを含むイタリア車がテーマであった。かつては山頂の小倉山展望駐車場を会場としていたが、近年は毎回100台を超えるようになってきたため、高雄ゲート大駐車場に会場を移した。基本的にただ集まるだけのイベントだが、時にはツーリングも催されている。
ここでは10月に行われたフランス車特集と、バブルカーとイタリア車が集まった11月の2ヶ月分の模様をご覧いただこう。
次回12月のテーマはアメリカ車なので、’70年頃までのアメリカ車をお持ちの方は、この機会にいちど参加されてみてはいかがだろうか。
開催に関しての詳細はオフィシャル・ブログでご確認下さい。
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10月のTSMはフランス車がテーマとされたため、お約束のモデルといえるアルピーヌ・ルノーA110が7台も集まった。
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参加者はアルピーヌ・ブルーがほとんどだったが、素晴らしいコンディションに保たれたVB 1600Sのみイエローで文字通り異色の存在に。
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R1135にちなんだナンバーのルノーR8ゴルディーニは、Club Zone Rougeの丸山さんが所有。エンジン組み立てまで自身で行うそうだ。
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バンパーレスのR8ゴルディーニは鈴木さんが所有。ボンネットやフェンダー等をFRPに換え、6点ロールゲージを入れたヒストリックラリー仕様。
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形式のR1134がナンバーのR8ゴルディーニ1100は、クラブ・ゾーン・ルージュの丸山さんが所有。今回クラブから5台のR8が参加した。
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一見するとR8ゴルディーニだが、実はナンバーから分かるようにR1136のR8Sは吉岡さんのクルマ。素晴らしい状態を保つ。
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今では希少な存在となったシトロエンCXパラスとGS1220クラブの初期型が並ぶ。色も絶妙だ。
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R8ゴルディーニの横にはシトロエンCXファミリアールが。フランスで撮った写真といえそうな光景だ。
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ルノーR8に負けじとシムカ・ラリー2の姿も見られた。フランスのハコ車がこれだけ並ぶと壮観だ。
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TMSではフランス車に限らずイタリア車も数多く集まる。フィアット・チンクエチェンは定番。
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アルファ・ロメオもジュリエッタやジュリアのジャルディニエーラなどマニアックなモデルがやってくる。
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ロータス・エラン+2のプロトタイプのメティエIIも、しっかりとその貴重な姿を披露した。
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日本車も貴重なモデルが素晴らしい状態で参加。レアなギャランGTO MRとベレットGT-Rが並ぶ。
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初期型のポルシェ911? 否、極初期型の912という希少車。アロイホイルに騙されるなかれ。
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10月の白眉がシングルナンバーのDKW ゾンデルクラッセF93カブリオレ。使い込まれた姿が絶品。
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11月はバブルカーがテーマとされた。生憎の天候ながら熱心なオーナーが馳せ参じた。
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こちらのバブルカーはハインケルではなく、当時英国でライセンス生産されたトロージャン200。
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パイプフレームに幌をかぶせたクルマは、チェコのヴェロレックス。フレームのままでも走れるという。
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11月のもうひとつのテーマはスーパーカーを含むイタリア車。雨にもかかわらず数多くが参加した。
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最近見かけなくなったフィアットX1/9は、お約束のシュノーケルが付いた奇麗な個体を発見。
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フィアットのほか、アルファ・ロメオ、ランチア、アウトビアンキが関西各地から集まった。