LANCIA LUNCH 2015
2015.10.18
ランチアをこよなく愛するオーナーたちのクラブがランチア・クラブ・ジャパンで、その年次イベントとして開かれているランチア・ランチも、今年で24周年になる。
1992年にランチアの熱心な愛好家が10人ほど集まって、ランチア・ミーティングを企画して、呼びかけたところ、予想を上回る100台もの新旧ランチアが集合した。この反響に意を強くした主催者たちによって、ランチア・クラブ・ジャパンの発足が決定した、という。それから24年の歳月がながれたが、今回も100台余りの参加車が集まり、会場となった大磯の海沿いの会場は活況を呈していた。
今回のテーマはデルタ・コレッツィオーネの20周年と、ベータ・モンテカルロの40周年ということで、それぞれのモデルが集結した。ランチアの国際ラリーでの本格的な活動はフルヴィアから始まったが、特にストラトス以降の何代かのモデルによる何年にも渡る活躍は、一挙にランチアのイメージを変えた。
もともとジウジアーロのデザインによる上品な5ドア・ハッチバックだったデルタも、高度なチューニングを施してラリー・フィールドに登場すると、全く異次元のコンペティツイオーネに生まれ変わった。ホモロゲーション獲得用のモデルとなったHF4WD以降、より人気も上昇し、1988年からはデルタHFインテグラーレとなり、張り出したブリスターフェンダーでさらに戦闘的になったスタイルがエンスージャストの心をときめかして蠱惑したものだ。デルタHFインテグラーレ・コレッツィオーネはその最終モデルで、1995年に日本向けに200台(最終的には250台)が限定で生産された。
もうひとつのテーマカーであるベータ・モンテカルロも、またランチアらしい上品なスポーツカーとして企画されたが、この車両もやがてコンペティツィオーネのベースとなり、やはり別物と言ってもいい037ラリーが生まれた。
今回は普段は見かける機会もないこの希少車といえるベータ・モンテカルロが8台も登場した。オーナーはいずれもランチアにふさわしいコニサーばかりのようで、また普段から愛情かけて手入れされていることが、よくわかる車両ばかりであった。
創業以来の特徴であった品格の高い車であるのに、チューニングされると、異次元のコンペティツイオーネに変貌するところが、’70年代以降のランチアの個性だった。