のちにハイブリッドとディーゼルのパワープラントも加わる予定であるが、もっともパワフルなモデルは6.0ℓのW型12気筒ユニットを搭載する。

こんな大きさが必要か? 必要である。乾燥重量2420kgの車体を100km/hまで4.0秒で導くには、あるいは301km/hの最高速を叩きだすには必要なのである。

それにベントレーである。シリンダーが12本、ターボチャージャーが2機あったっていいじゃないか。だってベントレーだもの。そういうことである。

これまでのユニットよりも30kg軽くなり、シリンダー・シャット・ダウン・システムを組み合わせているが二酸化炭素は1kmにつき297g排出される。そして燃料消費率は7.6km/ℓにとどまる。

われわれと過ごした期間、かなりハードな運転をしたことも理由として挙げられるだろうが、現実的な燃費は公表値の半分を少し上回るといった程度であった。

ただし細々とした数字は、ベントレーを乗るうえでは最優先事項ではない。それよりもボディ・カラーが標準で17色、最大で90色から選べ、リクエストでいかようにもできるという点。さらにレザーが15種、ウッド・パネルが7種類用意されている(こちらもリクエストでいかようにもできる)という点の方が(ベントレーにおいては)注目すべきだろう。

われわれのテスト車はオプションだけで£48,000(901万円)を記録。特に風変わりなオーダーをせずにこの価格であるという点も付け加えておこう。

■どんな感じ?

インテリアからはフォルクスワーゲン・グループのクルマであることがちらほら伺えるが、コンチネンタルほどではない。またVWの最新のアーキテクチャーを利用している ‘利点’ も垣間見える。

そのひとつがギアレバーだ。これまでセンター・トンネルの1/3の位置を占領していたものから、スマートな8速レバーになり、周辺に便利な追加スイッチも設えられるようになった。またシフト・パドルはVWやアウディ同様小さくなり、ステアリングと一緒に回転する。

2対のアナログ・ディスプレイの間にはデジタル・ディスプレイが備わり、ダッシュボード中央にもスクリーンが用意される。