ベントレー・ベンテイガ
公開 : 2015.11.18 23:30 更新 : 2017.05.29 19:02
後者は部分的にタッチ方式、部分的にダイアルによる操作方式となっており、機能と使いやすさの面でわれわれのファースト・チョイスになることはないが、これまでより良くなっていることは書き加えておこう。
メルセデス・ベンツやアウディのロータリー・スイッチに慣れている人ならば、自然とセンター・トンネル上のコントローラーに手が伸びてしまうかもしれないが、こちらはドライブ・モードの切り替え用スイッチである。
モードは4つのオンロード用と4つのオフロード用に分けられる。これによりエア・サスペンションとトルセン・センター・デフを組み合わせる4WDシステムの制御が切り替わる仕組みだ。
エア・サスペンションは標準となり、シャープなエッジを踏み越えるとごくたまにボンと衝撃が伝わるが、それ以外は常にしっとりと落ち着いている。キャビンは外界と別世界と表現するのが適切かもしれない。
コンフォートとスポーツ(あるいはデフォルトの ‘ベントレー’ モード)のあいだでは高速域において劇的な変化が感じ取れないのはどの領域でも硬すぎると感じることがないからだ。ベントレーの高いプライドは正当である。
電気の仕掛けは48Vのシステムで動いている。可変アンチ・ロールバーやその他の仕掛けをベンテイガの体躯のうえで動かすには、これくらいのパワーが必要なのだ。
アンチ・ロールバーの硬さを変えるために電気アクチュエーターがセットされ、コーナーでボディ・ロールを抑えたり、車体をキープするために仕事をする。
動作は適確であり、私にとっては可変ダンピング・システムよりも好印象だと感じた。コーナリング中はダンパーをギュッと引き締め、だからといって乗り心地を荒げることもなかった。
印象は極めてナチュラル。ロールはほんのわずかだ。高速でプッシュすると初期にはアンダーステアの傾向があるが、贅沢なレザーとウッド、アルミニウムのエアコン吹き出し口、光沢あるペダルを見ると、ポルシェ・カイエンではなくベントレーに乗っているのだという満足感がある。