プジョー308 GTi vs フォード・フォーカスST
公開 : 2015.11.18 23:20 更新 : 2017.05.29 19:30
プジョーはデビューしたての308 GTiをもって、もう一度ホットハッチ・ワールドで脚光を浴びたがっているが、その前には、われわれのお気に入りであるフォード・フォーカスSTが立ちはだかっている。
1975年、デビューしたばかりのフォルクスワーゲン・ゴルフGTIの最高出力は112psだった。そして2012年、最新のゴルフGTIは223psだった。
ムーアの法則にはこう書かれている。“(大規模集積回路の)部品あたりのコストが最小になるような複雑さは、毎年およそ2倍の割合で増大してきた” と。
毎年、である。
言っておくが、40年かけて2倍の出力になったゴルフのことを ‘大したことはない’ というために、この法則を引用したのではなく、賛辞を与えるために引用している。
人力の時代から馬車の時代で毎年2倍の進歩をするというのはむずかしいことではないかもしれないが、自動車としてのベースができ始めてからの2倍の進歩は、そう簡単には実現し得ないからである。
しかし、ゴルフ以上にすごい話もある。
1987年、デビューしたばかりのプジョー309 GTiは1.9ℓのエンジンから129psを引き出した。そして2015年、現行の308 GTiは1.6ℓの4ポットから270psを叩きだすようになった。
さらにテスト車として選んだマウンチューン・キットを組み合わせるフォーカスSTは275psを叩きだす。2002年のフォーカスST170に比べても+101ps、1982年のエスコートXR3iだと+168psにもなるのだ。
たったの8年前にデビューした2.7ℓエンジンのポルシェ・ケイマンの最高出力の方が今回の主役よりも劣っているし、トルクに至っては足元にも及ばないといった具合である。