フィアット124スパイダー公開
公開 : 2015.11.19 22:50 更新 : 2017.06.01 01:41
フィアットはロサンゼルス・モーターショーでフィアット124スパイダーを公開した。
新しい2シーターのFRスポーツは、そのネーミングのルーツであるオリジナルの124スパイダーからほぼ50年の時を隔てて世に姿を表したことになる。124スパイダーは、ご存知のとおりマツダとのジョイント・プロジェクトとして生まれたもので、基本のプラットフォームはマツダ・ロードスターと同一だ。しかし、そのパワー・ユニットは、日本製のノーマル・アスピレーションではなくフィアット自社製のターボ・ユニットを搭載する。
エンジンは、140ps、24.5kg-mのパワー、トルクを持つ1.4ℓのマルチエアIIで、これに6速マニュアル・トランスミッションが組み合わせられる。パフォーマンスは公表されていないが、そのトルクが1.5ℓのマツダ・ロードスターよりも大きいことからも、北米仕様である2.0ℓのロードスターに近い数値、つまり0-100km/hが7.3秒に近いタイムが出ていると思われる。
また、北米市場用としては160psの1.4ℓのマルチエアIIも搭載される。このハイパワー版がヨーロッパ向けに提供されるかどうかは現時点では不明。同時に、北米向けにはオートマティック・トランスミッションを用意するようだが、これもヨーロッパ仕様に設定されるかどうかは不明である。
124スパイダーは、ホイールベースはロードスターと同じだが、前後のオーバーハングが若干長いため、全長はロードスターよりも長い。メインのボディ・パネルは一新されているものの、フロント・ガラス、ヘッダー・レール、手動式のファブリック・ルーフはマツダ・ロードスターと同一だ。また、キャビンも同様で、基本デザインはマツダ・ロードスターと同一となる。
フィアット500ほどレトロ回帰のスタイルとはならないようにしながらも、オリジナルの124スパイダーのデザイン・ファクターを加えたのも特徴。フロント・エンドは荒々しいデザインで、六角形のグリルとLEDリンクがセットとなる。また、ボンネットにパワー・ドームが採用されているのは、オリジナルの124スパイダーを思い起こさせるアイテムである。サイド・ビューもロードスターと異なり、リアのホイールアーチへと続くはっきりとしたプレスラインを持つ。リアは最近のフィアットのトレンドでもある横方向の長方形のテール・ランプが採用された。
124スパイダーにはアバルト・バージョンも用意される予定。これは、よりアグレッシブな前後のバンパーと、張り出したホイールアーチを持ち、エンジンも170ps程度のものが与えられることになる。また、ロードスターに装備されるリミテッド・スリップ・デフも標準となり、ダンパー、スプリングもノーマルのものから変更される模様。
フィアットは価格についてはまだアナウンスしていないが、英国では£19,500(370万円)前後と予測される。これはマツダ・ロードスターよりも若干高い設定である。
フィアット・ブランド・ディレクター、オリビエ・フランソワとのQ&A
今回発表された124スパイダーは北米仕様だが、われわれは何時、ヨーロッパ仕様を見ることができるのか。また、北米仕様との違いはどんな感じになるのか?
ーーヨーロッパ仕様は2016年のジュネーブ・モーターショーで公開することになる。若干の仕立ての違いはあるが、その違いについては現時点では触れられない。
何故、フィアットは124スパイダーのネーミングを選んだのか。X1/9を選択肢には考えなかったのか?
ーーそれは面白い質問だ。けれど、われわれの頭の中にはX1/9という選択肢は全くなかった。オープン・トップのモデルということで、この古典的なネーミングを拝借した。また、ブランドとしての資産が124にはあると判断したのもその理由だ。
北米仕様とヨーロッパ仕様とではアウトプット・パワーの違いがあると思うが、124スパイダーを更にチューニングすることは考えているのか。また、来年のSEMAショーあたりに、そのハイパワー・バージョンを公開する予定はあるのか?
ーーご存知のようにフィアット500にはアバルト・バージョンが存在する。従って、124スパイダーにも同様のバージョンが造られるだろう。
それはアバルトのバッジを冠するのか?
ーーおそらく、アバルトのネーミングになるだろう。
マツダ・ロードスターとの違いは?
詳細はエンジニアにまかせているが、しかし私を信じて欲しい。オリジナルの124スパイダー同様に、運転する愉しみを提供するクルマであることは間違いない。