マット・ソーンダースも ‘スポーツ’ シャシーのオプション選択を肯定したうえで “このうえなく楽しい” とし、筆者本人も “プロパーなスポーツカー。これまでのような ‘もどき’ ではなくなっている” とメモした。

控えめなスペックだが、公道で物足りないと思ったことはほとんどなかった。コンパクトでバランスがよく、ハンドリングもポジティブ。簡単とはいえないコンディションでも、パワーと重さのバランスのよさが輝き、心から楽しめた。

ただしサーキットでは、(ワールド・クラスのギアボックスとデキのいいエンジンであるにもかかわらず)少しだけ悩まされることもあった。限界付近、あるいは限界をこえると、路面の状況に左右されやすいのだ。

だが、洗練された名だたる2台を横目にトップの評価を得たことを、マツダのエンジニアは誇りに思うべきだ。

そしてロータス。MX-5と等しい順位に落ち着いたのは先述のとおりロータスの歴史が少なからず影響している。ただ1台のスポーツカーとして見た時、このクルマは不名誉とは対極の評価を得てもおかしくないだろう。

メルセデス AMGは、別カテゴリーに出ているGT Sがどのような結果を得るかを期待しよう。そもそも栄誉あるこのコンペティションに、同門から2台が選ばれていること自体が珍しいのだから。

(アンドリュー・フランケル)