text & photo: Kazuhide Ueno (上野和秀)
意外とヒストリックカー・イベントの少ない都心で開かれるコッパ・ディ東京は、年を追うごとに人気を集めている。例年旧いクルマが走るのに丁度良い季節で祝日となる11月23日に開かれ、1ディで行われるラリーだけに気軽に参加できるのが魅力だ。そのため今回も全国からエントリーを集め80余台が汐留のイタリア街に集まった。
コッパ・ディ東京にはマニアの間で「イタリアの虫」と呼ばれる’50年代を中心とした小型コンペティション・バルケッタが集まることでも知られている。今回もバンディーニ、スタンゲリーニ、OSCAを始め、フィアット・ベースのスペシャル・モデルなどが数多く姿を見せた。
そしてもうひとつの主役といえるのがバブルカーだ。第2次大戦後の混乱期姿を現したミニマム・トランスポーターのメッサーシュミットKR200やBMWイセッタ、ハインケルらのバブルカーが6台も集まった。
今回の目玉となったのはイタリア街に特別展示されたビッザリーニ ISO グリフォ A3Cだ。ジオット・ヴィッザリーニが打倒フェラーリを目指し製作したコンペティションGTだ。’60年代のコンペティション・モデル愛好家の手により日本初上陸したもので、ここでお披露目され、その圧倒的な存在感はヒストリックカー・ファンの熱い視線を集めていた。
また、近年のコッパ・ディ東京ではヴィンテージ・モデルの参加が増えてきたことも特徴といえる。同好の士が集まることから次第に参加が増え、今回もブガッティT13、T37、アルファ・ロメオ6C1750、フィアット508バリッラ、シンガー・ル・マン、MG Nタイプ、オースチン7、モーガン・スーパースポーツ等10台が参加した。
今年のラリーはイタリア街を出発し、すぐに2連のPCに挑む。その後日比谷、東京駅、靖国神社、日本橋、銀座を経て晴海でPCを行い、お台場を通りイタリア街に到着。ここで4回目のPC競技をこなした後に再スタートし、新橋、京橋、湯島天神、上野公園、今戸神社、柳橋、蛎殻町を回りイタリア街に戻るという約2ラップのルートが組まれた。巧妙なルート選びで、東京都心の名所を結ぶ用に組まれていたため、参加者からも好評だった。
イタリア街に帰着後は表彰式が行われ、生産年やタイプでクラス分けされ、それぞれのクラス上位3名と、コンクール特別賞が授与された。総合優勝者には「スイスのハートにキューバのスピリット」そんなフレーズで表現されるブランド、クエルボ・イ・ソブリノスのリストウォッチが副賞で贈られた。
ここでは今回参加した古今東西のバラエティあふれる参加車をご覧いただこう。
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古今東西のあらゆるモデルが集まるのがコッパ・ディ東京の魅力だ。
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特別展示されたビッザリーニ ISO グリフォ A3Cは熱い視線を集めていた。
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マニアックなパーツを取り揃えるスペシャル・ショップも出店した。
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午前10時からゼッケン順でスタートし、ラリーの開始だ。
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スタート直後に2連続のPCが設けられ、まずは線踏みにチャレンジ。
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東京駅、靖国神社、銀座を経て歌舞伎座前を駆けるメッサーシュミット。
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晴海通りでは各所の信号待ちで、参加車が連なる異次元の光景が見られた。
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晴海埠頭にPC3が設けられ、0.01秒を競う静かな闘いが繰り広げられた。
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晴海から有明、お台場を経て、芝大門をくぐりイタリア街を目指す。
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イタリア街でPC4をこなしたあとは下町を駆け抜け今戸神社へ。
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柳橋の老舗小松屋前がチェック・ポイントとされた。
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昭和の香りを漂わす柳橋の上は、個性的なヒストリックカーの華が咲いた。
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約52kmの全行程を終えて、颯爽とイタリア街に戻った参加車たち。
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年式やタイプで5つのクラスに分けられ、それぞれ上位3名が表彰された
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唐沢寿明氏はクラスEで優勝し、堺 正章氏はクラスCの2位に入った。
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#1 1924年型 ブガッティT13 ブレシア
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#2 1928年型 ブガッティT37
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#3 1935年型 フィアット508バリッラ・ベルリネッタ・ミッレ・ミリア
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#4 1929年型 アルファ・ロメオ6C1750 スーパースポルト
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#5 1936年型 モーガン・スーパースポーツ
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#6 1936年型 モーガン・スーパースポーツ
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#7 1929年型 オースチン7 スポーツ
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#8 1935年型 MG Nタイプ・マグネット
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#9 1936年型 シンガー・ル・マン9
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#501 1921年型 フィアット501 テスタ・シルヴァーニ
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#A7 1937年型 オースチン7 スポーツ
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#10 1960年型 メッサーシュミット KR200
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#11 1959年型 メッサーシュミット KR200
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#12 1961年型 BMWイセッタ
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#15 19–年型 メッサーシュミット KR200
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#16 1963年型 ハインケル・トロージャン
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#17 1949年型 ジアタ・アミカ
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#18 1963年型 フィアット500 コルタ
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#19 1947年型 フィアット500A トッポリーノ
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#20 1957年型 アルピーヌA106
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#22 1951年型 バンディーニ750スポルト
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#23 1953年型 スタンゲリーニ750S MM
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#24 1952年型 スタンゲリーニ750S
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#25 1939年型 スタンゲリーニ508C アッラドーロ
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#27 1953年型 OSCA MT4
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#27Z 1984年型 マセラティ・スパイダー・ザガート
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#29 1951年型 フェラーリ340アメリカ・ヴィニャーレ
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#30 1953年型 フィアット・フルア・クーペ
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#31 1959年型 フィアット・アバルト750GT ザガート
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#33 1961年型 アルファ・ロメオ・ジュリエッタSZ
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#34 1961年型 アルファ・ロメオ・ジュリエッタSZ
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#35 1958年型 アルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スパイダー
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#36 1960年型 アルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スパイダー
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#37 1958年型 アルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スプリント・ヴェローチェ
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#38 1959年型 アルファ・ロメオ・ジュリエッタ・スプリント・ヴェローチェ
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#39 1969年型 ディーノ206gt
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#40 1972年型 ディーノ246gt
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#41 1972年型 ディーノ246gt
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#42 1972年型 ディーノ246gt
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#43 1972年型 ディーノ246gt
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#44 1973年型 ディーノ246gt
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#45 1973年型 ディーノ246gts
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#46 1959年型 フェラーリ250GT ピニンファリーナ・クーペ
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#47 1967年型 マセラティ・ミストラル 4000
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#48 1965年型 アストン・マーティンDB5
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#49 1959年型 ランチア・フラミニア・スポルト・ザガート
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#50 1963年型 ランチア・フルヴィア2C ベルリーナ
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#51 1954年型 ランチア・アッピア S-1 ベルリーナ
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#52 1947年型 ランチア・アルデア・カミオンチーノ
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#53 1974年型 ランチア・ストラトス
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#54 1962年型 フィアット600D
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#55 1963年型 フィアット・アバルト850TC ニュルブルクリンク
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#56 1963年型 シムカ・アバルト1150SS
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#57 1966年型 シトロエンDS
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#59 1964年型 フォルクスワーゲン・カルマン・ギア・クーペ
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#60 1961年型 ファセル・ヴェガ・ファセリア F2B
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#61 1968年型 フィアット850スパイダー
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#62 1963年型 モーリス1100
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#63 1954年型 ジャガーXK120
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#64 1954年型 ジャガーXK120SE
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#65 1950年型 モーガン 4/4 シリーズ1
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#66 1947年型 MG TC
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#67 1951年型 MG TD
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#68 1952年型 MG TD
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#69 1963年型 MG B GT
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#70 1955年型 トライアンフTR2
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#71 1956年型 ロータス11
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#72 1959年型 ロータス17
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#73 1967年型 ロータス・エラン S3
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#74 1967年型 ロータス・エラン S4
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#75 1966年型 RQ コニリオ
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#76 1970年型 アルピーヌ・ルノーA110
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#77 1968年型 フェアソープ TX-S
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#78 1954年型 フィアット1100TV ピニンファリーナ
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#79 1960年型 ポルシェ356B
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#80 1960年型 ポルシェ356B ロードスター
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#81 1964年型 ポルシェ356SC
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#82 1964年型 ポルシェ356C
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#83 1955年型 シボレー・ベルエア・クーペ
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#1967 1967年型 クライスラー・ニューポート・コンバーチブル
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#A610 1991年型 アルピーヌA610 ル・マン
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#800 1968年型 トヨタS800
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#2000 1970年型 トヨタ2000GT
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#311 1967年型 ダットサン・フェアレディ2000
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#500 1975年型 ランボルギーニ・カウンタックLP400 WF金狼
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#SS 1975年型 アルファ・スッド・スプリント
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#B 1981年型 ランチア・ベータ・モンテカルロ・シリーズ2