ブガッティ・シロンは来年のジュネーブ・モーターショーで公開
公開 : 2015.12.02 22:55 更新 : 2017.06.01 01:41
ブガッティ・ヴェイロンの後継モデルであるシロンが2016年3月のジュネーブ・モーターショーで公開される。
このシロンというネーミングは、1920年代、そして1930年代のグランプリ・レーサー、ルイス・シロンからとった名前だ。シロンは1931年のフランス・グランプリでT51に乗ってチャンピオンになった他、ヨーロッパのチャンピオンシップで活躍したレーサーである。途中、戦争で彼の経歴は途絶えるが、その後、アルファ・ロメオ、メルセデス、マセラティでも活躍をしている。
最新のスパイショットでは、開発後期に入ったシロンのプロトタイプのディテールを確認できる。以前、スタイリングはカモフラージュされているものの、シャープになったLEDヘッドライト・ユニットや、前方に張り出たグリルといった詳細を確認でき、これまでよりもボンネットがフラットになったこともわかる。これらは、先のフランクフルトショーで発表されたビジョン・グランツーリスモ・コンセプトの意匠を引き継いでおり、関係者はブガッティの新たなデザイン言語を提案するものだとしている。
6月に前フォルクスワーゲンのボス、ウィンターコルンは、この新しいシロンにハイブリッド・ユニットが搭載されるということを明らかにしている。エンジンは現行の8.0ℓW16を改良したもので、そのパワーは1500psになるという。
ブガッティによれば、シロンは、日常の使用にも耐えうるフレキシビリティを持ち、それと同時にロードゴーイング・モデルとしては史上最速のパフォーマンスを持つとしている。また、ヴェイロン同様に豪華なキャビンも引き継がれる。
7速デュアル・クラッチを持ち、4WDシステムによってパワーは4輪に分配される。パワートレインは、電気的な補助を持つもので、伝統的なミドシップ・マウントされる。
このシロンの初期には、ミドシップ・マウントではなくフロント・エンジンにスイッチするという意見もあったようだが、すでにキャンセルされている。
2005年のヴェイロンの発表以来、スーパーカーを取り巻く世界は変わっている。マクラーレンP1、ポルシェ918スパイダー、ラ フェラーリといったハイブリッド・モデルが中心になってきている。したがって、新しいシロン(このネーミングはまだ確定ではないが)、ターボ付きの8.0ℓW16にモーターのアシストが入ることは確実だ。また、エンジンもこれまでのマルチ・ポイント・インジェクションがダイレクト・インジェクションに変更される。これはユーロ6の排ガス規制に適合するためだ。
また、公式な発表はないが、そのターボチャージャーが電気式になるという話もある。これは、熱効率を上げるだけでなく、ローエンドでのトルクをアップする狙いがあるという。
しかし、最も大きなニュースは、ギアボックス・ハウジングの中に取り付けられたリチウム・イオンをソースとするディスク型のモーターだろう。その結果、ガソリン・エンジンとモーターの合計出力は、現行のヴェイロンの1200psを大きく上回る1500psになると予想される。また、トルクはギアボックスの耐久性を考えて152.0kg-mになるとされている。
このハイブリッド・パワートレインを採用したにもかかわらず、新しいシロンは1840kg以下のボディ・ウエイトだという。
パフォーマンスは、0-100km/h2.5秒、最高速度431km/hを上回ることは確実だ。これも公式な数値ではないが、0-100km/hが2.3秒、最高速度は460km/hと予測されている。
現行ヴェイロンと同様、このシロンも450台の限定で発売が予定されている。