高速巡航では、ロード／ウインド・ノイズがいくぶん目立つようになる。特にフロント・ピラーからの音量が大きいようだ。

しかしそれ以外の部分には嫌なところが見当たらない。完璧な静粛性とはいいがたいが苛立ちを覚えるようなことはなく十分に洗練されていると表現していいだろう。

ダッシュボードの見た目はうっとりするほどではないが、スマートでクリーンな印象。ステアリング／ギア／サイド・ブレーキ用レバーにやわらかく触り心地のいい素材ため、実際よりも安いクルマに乗っている気持ちにはならない。

メーターは大きめに作られており、短時間でも視認しやすいデザインだといえる。その他のスイッチのデザインもわかりやすく、押し心地はフォルクスワーゲンの兄弟よりもソリッドだ。レバー式のハンド・ブレーキにも賛成派は多いはずだ。

フロント・シートは座り心地がよくスペースも広々としている。ステアリングも前後と上下に調整可能だ。ゆえに自分に合うセッティングがしやすいのだが、かなり腰高でアップライト。背の高いドライバーは頭上からの圧迫感を感じるだろう。そのぶん見晴らしはいいのだが。

フットレストはあまり大きくない。したがって大きな靴を履いている場合、左足の置き場にちょっとだけ困ることになる。一方の視界はとても広い。ガラスの面積とミラーのサイズが大きいおかげである。カップホルダーは2つ、ドアの収納も大きく、グローブボックスのサイズも十分だ。

5インチのメディア・システムはVWポロやフォード・フィエスタのものと同じであるため、動作にも不満はない。6.5インチのメディア・システムのためには£240(4万5千円)必要。さらに£145(2万7千円)払えば ‘フル・リンク’ サポートも受けることができる。

しかし有益なオプションであることは間違いない。というのもコンテンツにはアクセスしやすく、スマートフォン上の追加のファンクションも使用しやすい。

後席は180cmを超えるパッセンジャーにとっても十分なスペースだといえる。子ども以外はおすすめしないが、無理をすれば3人乗車も不可能ではない。クッションは前後ともにかなり硬い。荷室容量はフィエスタに匹敵するサイズの292ℓ。後席は分割して倒すことができる。標準ではスペース・セーバー・タイヤが搭載されている。

イビーザは概して実用的でスマートなハッチバックだといえる。特にインパネのデザインはフィエスタに勝っている。クルーズ・コントロール、ナビを含む充実したオプションにも喜ぶカスタマーは多いだろう。