プジョー308 Rハイブリッド・プロトタイプ
公開 : 2015.12.04 23:50 更新 : 2017.05.29 19:00
変速はゆったりと、しかしなめらかにおこなわれるが、当然ながらデュアル・クラッチATよりもぎこちない。プジョーは電気モーターの改良で、パワーの供給マナーを調整し、セミATの悪い癖をリカバーするといっているが、それでも荒削りなギアボックスを搭載していることがわかるだろう。
ハード・コーナリング時も絶対的な安心感とはいかない。なにせトルセンLSDとパワー・デリバリーの唐突さの相性がよくない。予想しないところでドンっとパワーが伝わることが多く、それを制御するのが難しい。
しかしハンドリングは文句なしだ。硬いスプリングとワイドになった横幅、粘りづよいタイヤのおかげでグリップ・レベルが極めて高い。
パワー・ステアリングは重すぎることも軽すぎることもなく、伝わる情報量もとても多い。アシスト過多の標準のパワステとは比べ物にならない。
ボディの反応もシャープだ。モーターによるリア・アクスルへの余りあるトルクと相まってステアリングを切り込んだだけ有機的に向きを変える様は快感のひとことだ。