メルセデス・ベンツGLS350d

公開 : 2015.12.04 23:40  更新 : 2017.05.13 12:50

最新の ‘エアマティック’ エア・サスペンションのもたらす乗り心地はしっとりとしいる一方、足腰がどっしりと構えている感覚が伝わる。市街地でも空いた道でも不安になるような動きや不快な突きあげが少ない。

特に低速域、ちいさなバンプを踏んだ際の衝撃の吸収の仕方は素晴らしい。うねりが多い路面でも車体はぴたりと落ち着いている。

テスト車は、オプションのアクティブ・カーブ・システムを組み合わせていたが、こちらだとハードなコーナリング時でも車体をフラットに保ち、だからといって人工的な感覚に陥らないところが素晴らしい。

どんなコンディションであれ、嫌な思いをすることが殆どない。走りたいラインからずれることはなく、はるか向こうまで見渡せる。ひどい道でもキャビンは静かだ。

唯一GLSに欠けているものといえば、ドライバーを鼓舞するような楽しさと、車体とドライバーの親密さだ。

ステアリングにはきちんとした重みがあり、舵角が増すにつれて有機的な重みの増し方をするのだが、道なコミュニケーションを取っている気持ちになれない。それに手元に伝わる情報量も少ない。仮に本当の意味で仲良しになれるようなクルマを求めているのならば、GLE350dクーペをおすすめする。

■「買い」か?

£69,100(1,281万円)〜という価格設定は、決して安いとはいいがたいが、GLSと同等の室内の広さと凡庸性を兼ね備えたクルマを探すのはむずかしい。

唯一近しい存在といえば、レンジローバーTDV6 3.0ということになるが、こちらはちょっと個性的だし、立場も1段上だ。

機械的構造こそ先代とはあまり変わらないが、あらゆる細やかな点を見なおしたことにより、新型モデルの競争力はかなり高まったといっていい。

(グレッグ・ケーブル)

メルセデス・ベンツGLS350d

価格 £69,100(1,281万円)
最高速度 222km/h
0-100km/h加速 7.8秒
燃費 13.2km/ℓ
CO2排出量 199g/km
乾燥重量 2455kg
エンジン V型6気筒2987ccディーゼル
最高出力 259ps/3400rpm
最大トルク 63.2kg-m/1600-2400rpm
ギアボックス 9速オートマティック


▶ 海外ニュース / メルセデス・ベンツGLSを公開
▶ 海外初試乗 / アウディQ7 3.0TDI Sライン
▶ 海外初試乗 / アウディQ7 3.0TDI 218 SE
▶ 海外初試乗 / BMW X5 xDrive 30d

関連テーマ

おすすめ記事

 
最新試乗記

人気記事