一方の乗り心地は、初期のモデルに比べて遥かに良くなっている。引き締まってはいるが、嫌な突きあげを伝えない程度に調整されている。気持ちがいい。

室内は5人のパッセンジャーを乗せることができるほど広い。仮に3列めのシートを追加すれば7人を収容することができる。

操舵感覚もすこぶるいい。たしかにマスを感じるのだが、それをものともしないほどコントロールしやすくロールも小さい。ステアリングの重みにも違和感がなく、ぴたりと狙いどおり向きを変えられる。

キャビンの居心地もいい。iPadみたく大きなスクリーンのみが理由ではなく、シートが体に吸いつくような形状であることも好印象の理由だ。初代のシートの希薄なサポート性を思うと雲泥の差だ。荷室の形状もいい。

内装パーツの組み付け精度も高くなっており、素材の見た目もスマート。ここ最近のアウディに匹敵するほどではないが、いい方向に進化していることがわかる。

■「買い」か?

買うべき。航続距離は圧倒的にBMW 5シリーズ・ディーゼルの方が長いが、テスラの場合スーパーチャージング・ステーションに無料でアクセスできる。それにたった30分で80％までチャージできるのだ。

通勤などの日常的な運転ならば、1度の充電でも事足りるレベルに達している、というのも魅力だ。チャージャーの設置など初期投資は必要になるが、走る楽しさも増しているとくれば、おすすめしない理由がない。

(ジョン・ハウエル)

テスラ・モデルS 70D

価格	£55,000(1,016万円)
最高速度	225km/h
0-100km/h加速	5.2秒
航続距離	443km
CO2排出量	0g/km
乾燥重量	2108kg
エンジン	モーター
最高出力	329ps
最大トルク	53.5kg-m
ギアボックス	シングル・スピード