ロータス・エキシージ・スポーツ350
公開 : 2015.12.14 23:50 更新 : 2017.05.29 19:24
アウディTTやポルシェ・ケイマンは、物質としての使い心地のよさを日常で感じさせながら、日曜も楽しませてくれる。これに対してエキシージ・スポーツ350は活躍の場をサーキットに絞っているものの、日常使いも不可能ではない。
要するに主戦場をどちらに置いているか、がライバルとエキシージ・スポーツ350の大きな違いである。
■どんな感じ?
標準のエキシージのフライ級ともいえるこのクルマは、ポルシェ・ケイマンSよりも200kg軽い。200kgである。それでいて3.5ℓスーパーチャージドV6エンジンは350psを叩きだす。乗る前からそわそわとしてくる。
同価格帯のクルマといえばケイマンGTSが挙げられる。出力も30psと近似している。しかしながら最大トルクはケイマンGTSの38.7kg-mに対して、エキシージ・スポーツ350は40.8kg-m。なかなかの差である。
自然吸気のケイマンGTSでは感じることがない、首のうしろがヒリヒリとしてくる感覚をエキシージ・スポーツ350はもたらす。それもケイマンGTSの回転域のはるかに下でだ。
軽量化のおかげで加速におけるパンチ力はかなりのもの。一般道を走るかぎり、ケイマンGTSよりも遥かに、かなり、そして異様に、速く感じる。
諸元表がもっとも近しいのはアルファ・ロメオ4Cだろうか。ミニマリズムと軽量化という価値観も似ている。しかし、カーボン製であるタブ単体の重量は4Cの方が軽いかもしれないが、やはり4気筒とV6の差は大きい。
さらにハンドリングが4Cの存在感を薄める。サスを大きく改めなかったのは正解。それでいてキャンバーとトー角を見なおしたことによって、エキシージSで看取された初期のアンダーステアは一掃されている。