ロータス・エキシージ・スポーツ350
公開 : 2015.12.14 23:50 更新 : 2017.05.29 19:24
低速域だとアシストを受けないステアリングは確かに重いものの、速度が増すにつれて、グリップの微細な変動から路面の小さなうねりまで、インフォメーションは小さなステアリングを介して、これでもかというほど伝わってくる。
つるつるとすべるようなサーキットや、冬まっさかりのノーフォークの田舎道まで、はちきれんばかりの元気のよさが楽しくてたまらない。クルマを停めるその瞬間まで密接な一体感があるのだ。
フロントの動きがあるいは、鋭すぎると感じるかもしれないが、セットアップに不安を感じるほどではない。コーナー手前でアクセル・ペダルをリフトすれば、自然にエイペックスにノーズが向かう。想像と実際のモーションのあいだに差がないことがこれほど気持ちいいことなのかと改めて感心する。
ギアのリンケージをエヴォーラ400とシェアすることによって操作感はカチリとしているしクイックだ。オートマティックのオプションも引きつづきあるにはあるが、PDKほどの完成度ではないだけにAUTOCARとしてはMTを推す。このクルマを買う多くの向きもMTを好むだろう。
■「買い」か?
最近のパフォーマンスカーが、どんどん大型化しただけでなくギミカルになったなと感じているのであれば、間違いなく「買い」。
余計なものを容赦なく省きながらも、日常でも使える。それでいて、サーキットでも不安のない正確性をたずさえる。多くのライバルが手をだせない領域にある。
軽い、ということは度重なるサーキットの走行でも、ブレーキやタイヤの消耗を気づかう頻度が減るということを意味する、なんていう思わぬメリットもある。
ぶ厚いサイド・シルや浅いドアゆえ、お世辞にもエレガントなクルマだとはいえないが、これもエキシージの美学。エンスージァストならば受け入れられるだろう。
いやなところよりも、いいところの方が圧倒的に多いから、どんどんのめり込んでしまう。パワーアップとダイエット。ロータスの真髄ここにありだ。
(AUTOCAR)
ロータス・エキシージ・スポーツ350マニュアル
価格 | £55,900(1,031万円) |
最高速度 | 274km/h |
0-100km/h加速 | 3.9秒 |
燃費 | 9.9km/ℓ |
CO2排出量 | 235g/km |
乾燥重量 | 1125kg |
エンジン | V型6気筒3499ccターボ |
最高出力 | 350ps/7000rpm |
最大トルク | 40.8kg-m/4500rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |
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