あたたかみがあり、パッセンジャーを歓迎してくれていると感じるのは、アルピナの方だが、高級感、あるいは快適性の観点でみるとアウディの勝ち。高速道路を長い距離、毎日走る人はアウディの方がいいだろう。

エンジンは、アルピナのストレート6の方がスポーティだ。回転感はガソリン・ターボにちかく、それを許容するだけのギアボックスの仕立てのよさを感じる。

アクセル・ペダルをギュッと踏みこめば、3500〜4800rpmを常にキープしつづける。ディーゼルの長所に頼りすぎることなく、あくまでナチュラルであろうとしていることがよくわかる。

アウディは反面、‘ディーゼル感’ を全面に押しだしていると感じる。床までアクセル・ペダルを踏みこむと、スポーツ・サルーンというよりパフォーマンスGTと表現する方が正しい、勢いのよさを披露する。

2500rpmあたりからの加速感は、ティピカルなディーゼル・エンジンそのものであり、筆者はパワーボートでコモ湖を出発したときのことを思いだした。2トンちかいクルマであることをすっかり忘れてしまう。