アルピナD3ビターボ vs アウディA7
公開 : 2015.12.19 23:50 更新 : 2017.05.29 19:30
エグゾーストにマウントした ‘サウンド・アクチュエーター(簡単にいってしまえばスピーカー)’ は、アルピナよりもエキゾチックな音を聴かせてくれる。まったくもってリアルなエンジン音ではないことは明白な一方で、聴いていて実に心地いい。魅せ方の妙である。
乗り味は、両者ともに500psをゆうに超えるMやRSのエンブレムをつけたモデルよりも遥かにやわらかいが、アスリートらしさを強く感じるのはアルピナの方。
アウディは、ピタリとした制服を身につけたドアマンなのに、ランニング・シューズを履いている……というようなどこかちぐはぐとした印象が付きまとう。
よく走るのだが、与える情報を簡潔なものにフィルタリングしている。だから自分で運転しているという意識づけはさせるのだが、実のところ、情報量が少なく、クルマが勝手に走っていると感じる部分がある。
対するアルピナは、情報のフィルタリングがうまい。トラクションがどれほど伝わっているか、あるいは道路がどれくらい波打っているかが手にとるようにわかる。だから、みずからが操っている感覚が強い。