メルセデス・ベンツSLSエレクトリック・ドライブ
公開 : 2012.09.28 16:38 更新 : 2017.06.01 01:03
メルセデス・ベンツは、パリ・モーターショーでSLS AMG クーペ・エレクトリック・ドライブを416,500ユーロ(4173万円)という価格でリリースすることを発表した。
世界で最も強力なEVとも言えるこの2シーター・モデルは、2009年に発表されたメルセデス・ベンツSLS AMGのクーペ・モデルをベースに造られたもの。しかし、その車体の下には、それぞれのホイールに搭載される4基の電気モーターが搭載される。したがって4WD駆動となる。それぞれのモーターは、45kgほどで、トータルで740bhp、102.0kg-mのパワー、トルクを発揮する。それは標準的なSLS AMGの6.2リッターV8ガソリンよりも177bhp、35.8kg-m大きい。その価格は、2013年に発売されるアウディR8 eトロンの倍になるが、eトロンのパワー、トルクは376bhp、83.5kg-mの過ぎない。
SLSエレクトリック・ドライブは、それぞれのアクスルにパワーをデリバリーする2つのギアボックスを持ち、3つのモードでトラクションをコントロールできるAMGトルク・ダイナミクス・システムが装着されている。その3つのモードとは、コンフォート、スポーツ、そしてスポーツ・プラスである。
SLSエレクトリック・ドライブのパフォーマンスは0−100km/h加速が3.9秒で、最高速度は250km/hでリミッターが効くようになっている。比較としてガソリン・エンジンのSLS AMGは0-100km/h加速が3.8秒、最高速度は317km/hだ。
面白い装備としては、パワー・ボタンを押すことによって、AMGの典型的なエンジン・サウンドがその状況に応じて発せられるというもの。キャビンのまわりにある11のスピーカーによって合成サウンドが奏でられるという仕組みだ。
電気モーターのためのエネルギーは60kWhのリチウム・イオン・バッテリーによって供給される。まそのバッテリーの重さは、548kgで、合計72のセル、12個の独立したモジュールからなる。セルは韓国のSKイノベーション製。その搭載位置は、通常の燃料タンクの位置と、キャビンのセンター、そしてパッセンジャー・シートの下だ。た、メルセデス・ベンツ、マクラーレン、フォース・インディアといったF-1チームでも使われるKERSも搭載される。F-1のように、制動時とギアが惰性で進む間にバッテリーが充電される仕組みだ。
ドライバーはステアリング・ホイールに取り付けられたパドルによって、回復されるエネルギーを調整することができる。
そのバッテリーのため増えた重量を総裁するために、SLSエレクトリック・ドライブは、標準のアルミニウム製のシャシーではなく、アルミニウムとカーボンファイバーを混合させたシャシーを持つ。また、重量対策としては、フロントΦ402、リアΦ360のカーボン・セラミック・ブレーキを標準としている。
サスペンションも、フロント・アクスルは直接ドライブにマウントされるために、水平にマウントしたダンパーとスプリングという、標準のダブル・ウィッシュボーンプッシュロッドにアレンジを加えた、全く新しいものを創りだした。また、ステアリングも、新しい車速感応型の電動ハイドロリックが採用されている。
タイヤは、フロントが265/35の19インチ、リアが295/39の20インチだ。